中古車を売却するときには、それまで乗っていた車に強制保険である自賠責保険に加入していたと思いますが、その保険料に残りがある場合は、その残りはどうなるのでしょうか?
結論から言えば、自賠責保険料の残りは、中古車を買い取りしてくれる買い取り業者が買い取り金額内に含めて、買い取ってくれます。
中古車を売却したときの買い取り内訳のイメージ
中古車を買い取り業者に売ったときの買い取り内訳は、下記のようなイメージになっていまして、車両価格と車両以外の費用に分けられています。
つまり、車を売却する側は、自賠責保険の残りがあっても損をするということはなく、また、何の手続きも必要がないということになります。
ちなみに、最近の買い取り業者は、買い取りの際は、自賠責保険料の他にも、リサイクル料金、自動車重量税なども全部ひっくるめて、車を買い取りしてくれるのが一般的になっています。
また、自動車の買い取りそのものついても、ネットを使った無料出張査定が一般的になっていることから、車を売るドライバーにとっては、煩雑な手続きが減った上に、買い取りそのものが、昔に比べると、随分、楽になっています。
ネットを使った車買い取りの一括査定について、もっと詳しく知りたいという方は、「相見積もりで車を売る最も簡単な方法とは?」の記事も参考にして頂ければと思います。
中古車を売却して廃車にする場合
これまで中古車を売る場合は、自賠責保険料の残りは戻ってこないという説明をしてきましたが、戻ってくる場合もあります。
それが、中古車を売却して、廃車をする場合です。
売却した車を廃車にする場合は、自賠責保険料が戻ってきますので、自賠責保険を契約した保険会社に返戻金の申請を行います。
中古車を売却して、廃車にする場合に必要な書類は下記の通りとなっています。
〇軽自動車の場合
軽自動車 | 内容 |
---|---|
1 | 軽自動車検査協会で発行される抹消手続きの証明書のコピー |
2 | 自動車検査証返納証明書 |
3 | 返戻金の振込先となる金融機関口座の情報 |
4 | 上記書類に記載されている所有者の印鑑 |
5 | 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)の原本 |
〇普通車の場合
普通車 | 内容 |
---|---|
1 | 陸運支局で発行される抹消手続きの証明書のコピー |
2 | 一時抹消登録証明書(一時的に廃車する届出) |
3 | 登録事項証明書」(永久抹消登録) |
4 | 返戻金の振込先となる金融機関口座の情報 |
5 | 上記書類に記載されている所有者の印鑑 |
6 | 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)の原本 |
ここで、注意しておく必要があるのは、陸運局や軽自動車検査協会で抹消の手続きが完了しても、保険会社に対して自賠責の途中解約および、返戻金の申請手続きを行わなければ、自賠責返戻金が戻ってこないということです。
また、自賠責保険の返戻金ですが、月割り計算になりますので、自賠責保険の返戻金の申請は、抹消手続きが終わった後、すぐに行いましょう。
月をまたいでしまったりすると、一ヶ月分もらえるはずの返戻金を貰い損ねてしまいますので、早めに対処することをおすすめします。
任意保険は買取業者には買い取りしてもらえない
強制保険とは別に、任意保険に加入しているというドライバーも多いと思いますが、任意保険の場合は、基本的にはドライバーに対して掛ける保険になりますので、買い取り業者が買い取りするということはありません。
買い替えで使用する自動車が変更になる場合は、任意保険を契約している保険会社に連絡を入れて、車両変更の申請を行います。
仮に、買取業者ではなく、友人や知人などに車を譲る場合であっても、それまでに加入していた任意保険は、その友人や知人には適用されませんので、注意が必要です。
譲ってもらった友人や知人が任意保険に加入する場合は、別途、保険会社と任意保険の契約を行う必要があります。
なお、任意保険の譲渡につきましては、例外も存在します。
それは、同居家族に限り任意保険を譲ることができるというものです。
例えば、祖父が高齢になったため、自動車の運転をもうやめるといった場合に、それまで契約していた任意保険契約について、その等級も含めて、任意保険を家族に譲渡することができます。
任意保険を一旦、休止するには
任意保険はご存じの通り、年ごとに等級が付与されて、無事故を続ければ続けるほど等級が上がっていきます。
しかし、売却や廃車、譲渡、車検切れ、海外への移住などを理由に任意保険を一時的に中断したいという場合もあると思います。
そんな場合は、契約している保険会社に任意保険の一時中断を申請する必要があります。
一時中断を申請しておけば、例えば、数年後に自動車に再び乗り始めたときは、以前の等級のまま任意保険を再開できますが、それを怠ると、次に加入した時は、また最初の等級からのスタートになってしまいますので、是非とも手続きをしておきたいところです。
ちなみに、任意保険の中断の申請については、任意保険の解約後13ヶ月以内に行う必要がありますので、注意が必要です。
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