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水漏れ?異音?・・ウォーターポンプの故障の原因と修理・交換にかかる費用のまとめ

エンジンの冷却水を循環させるという大切な役目を担っている「ウォーターポンプ

部品そのものは単体で見れば、それほど高価なものではありませんが、関連する部品にまで不具合の影響が及ぶと、エンジンのオーバーヒートにまで発展しかねず、安全面や金銭面でも注意が必要です。

そこで、今回はそんなウォーターポンプの水漏れや異音が起こる原因と、異常が発生したときに起こる症状、そして、その修理や交換にかかる費用について説明していきたいと思います。

早速見ていきたいと思います。

ウォーターポンプの異音や水漏れの原因

ウォーターポンプの故障の原因の説明に入る前に、先にウォーターポンプがどういったパーツと関係しているのかということを、ざっくりと見てみましょう。

エンジンは車が動く、止まる、曲がるといった動作を行う度に、その熱の温度を調整する必要がありまして、そのエンジンの温度を調整するために水温センサーやラジエータ、各種ベルト、サーモスタット、ウォータポンプなどが連携をしながら「冷却水」を循環させているというのが、大まかな流れになります。

なお、上記のイメージは従来のガソリン登録車用のウォーターポンプの仕様で一般的に採用されている仕組みですが、ハイブリッド自動車や電気自動車では、「電動ウォーターポンプ」が導入されていることが多く、その仕組みはやや従来のものとは異なっています。

画像出所/電動ウォーターポンプ -GMB株式会社-

では、それらを踏まえた上で、ウォータポンプの異音や水漏れの原因には、どのようなものがあるのかについて見ていきましょう。

症状考えられる原因
異常「カラカラ」「ガラガラ」ベアリングの故障
インペラ破損
サーモスタットの故障
エンジンの故障
異音「キュルキュル」ベルトの摩耗・劣化
プーリーの故障
異音「キィーン」「ウィーン」ベアリングの故障
インペラ破損
サーモスタットの故障
メカニカルシールの故障
水漏れシリンダのガスケット不良
メカニカルシールの摩耗・劣化
ベアリングの故障
オーバーヒート
(高水温警告灯の点灯や点滅)
ラジエーターの不良
サーモスタットの故障
エンジンの故障
水温センサーの不具合

ウォーターポンプの交換や修理が必要になるケースとして最もよく見られるのは、タイミングベルトやベアリングが経年劣化などにより摩耗が進み、それに伴って、ウォータポンプも一緒に交換というパターンです。

タイミングベルトは「走行距離10万キロ」が交換の目安ということがよく言われますが、急発進や急停車、アイドリング、運転する気候や路面の状況、ドライバーのクセによっては、「5万キロ前後」で交換ということも珍しいことではありません。

ただ、近年はタイミングベルトではなく、30万kmぐらいまでメンテナンスフリーなタイミングチェーン(サイレント式)を採用している自動車が多いので、今後はタイミングベルトとともにウォーターポンプの交換というケースは減っていくことが予想されます。

他には、最近の自動車に数多く搭載されている各種センサーや電子制御のためのパーツの不良が原因でウォーターポンプにもその影響が波及してしまうというケースや、プーリーの不良やラジエーター、サーモスタットの故障が原因となっているケースなどがあります。

中でも、下記のような高水温警告灯の点灯や点滅が表示される場合は、かなり危険な状態を示唆していますので、注意が必要になります。

ウォーターポンプの異音や水漏れが悪化すると・・どんな症状が出る?

では、続いてはウォーターポンプの異音や水漏れが悪化すると、どんな症状になってしまうのかということを見ていきましょう。

まず、ウォーターポンプから水漏れが起きている状態での症状ですが、初期であれば、エンジンも問題なく動きますし、ベアリングやシール、ベルトなどに多少、摩耗が見られたとしても、これといった症状は出てきません。

ただ、ウォーターポンプの水漏れとともに、サーモスタット、ラジエーター、水温センサーなどが故障している場合は、冬場にエアコンをつけても全然暖かくならないといった症状が出てきたりします。

そして、何らかの原因で異音が出た場合や高水温警告灯の点灯や点滅が表示される場合ですが、これは状況により、かなり危険な場合があります。

なぜなら、異音が出ている場合や高水温警告灯の点灯や点滅が表示される場合、エンジンの動力性能に関わる重大な故障が起きている可能性があるからです。

例えば、ウォーターポンプ及び周辺の関連パーツからの異音を放置し、夏場の暑い中、エンジンを冷やす役目の冷却水が上手く循環しないまま走行を続けていると、エンジンが止まったり、最悪の場合、エンジンそのものが故障というケースに至ることもあります。

ウォーターポンプの修理や交換費用の目安のまとめ

では、続いてウォーターポンプの修理や交換費用について見ていきましょう。

修理箇所料金の目安
(工賃を含む)
オイル交換1,000円~3,000円前後
タイミングベルト交換10,000円~
ウォーターポンプ交換費用10,000円~30,000円
オルタネーター交換45,000円~
ベアリング交換(ASSY)15,000円~
スパークプラグ交換10,000円~
テンショナー交換10,000円~
ラジエーター交換50,000円~
ドライブシャフト・ブーツ交換9000円~
サーモスタット交換20,000円~
エンジン交換400,000円~1,000,000円
各種センサーなど電子制御機器の交換50,000円~

ウォーターポンプの修理や交換にかかる費用は、前述の通り、単体のみの修理で終わるのか、あるいは、関連するパーツも交換する必要があるのかということで、かなり変わってきます。

また、車の種類や部品によっては、交換に必要な工具に特殊な工具を要求されたりなど、部品よりも技術料や工賃の方が高額になるケースが少なくありませんので、上記はあくまで参考としてご覧頂ければと思います。

なお、エンジンや最近の自動車に多数搭載されているセンサーやそれを司るコンピューターの修理・交換に発展する場合は、リビルト部品や程度の良い中古部品などで交換をしたとしても、それでも修理費用はかなりの高額になることを覚悟しておく必要があります。

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まとめ

「水漏れ?異音?・・ウォーターポンプの故障の原因と修理・交換にかかる費用のまとめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

エンジンの動力性能にも関係が深いウォータポンプに不具合が起きるというのは、走行距離や年数次第ではありますが、他の箇所にも不具合や故障が発生している可能性は決して低くはありません。

特に走行距離が長くなっていたり、車の運転の仕方や運転していた環境などによっては、「寿命」を迎えている可能性もありますので、修理・交換の見積もり費用にもよりますが、車の買い替えなども天秤にかけながら、冷静に検討したいところです。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。