交通違反の取り締まりで1日あたり850件近くも検挙されている駐停車違反。
苦い思いをする人も多い駐停車違反ですが、実は「放置駐車違反」の確認標章が貼られた後の出頭の有無、青色切符の有無、適用される法律などにより、違反点数と罰金(及び反則金)の内容は、かなり異なってきます。
今回は、駐停車違反の3つのタイプの違反点数と罰金(及び反則金)などについて、見ていきたいと思います。
駐車違反の仕組みと法律
駐車違反で適用される法律には、大きく分けて2種類ありまして、それが道路交通法と「自動車の保管場所の確保等に関する法律(参考/電子政府法令データ提供システム)」になります。
道路交通法違反で駐停車違反とされるのは、「運転者が車両から離れていて、ただちに運転できない状態」と規定されておりまして、1分や5分といった時間に関係なく、直ちに運転できない状況であれば、その場で「放置駐車違反」とされてしまいます。
そして「放置駐車違反」の処分については、さらに「運転者責任」と「使用者責任」の2つに分かれています。
例えば、家族や友人の車、レンタカーなどを借りて運転していたドライバーが「運転者責任」を問われる場合と、その車両の所有者である「使用者責任」が問われる場合では、それぞれ下される処分が異なります。(処分の内容については後ほど詳しく解説します)
なお、「運転者責任」と「使用者責任」は別々というわけではなく、どちらかが責任を取れば、それで処分は終了となります。
一方、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の違反は、通称「青空駐車」と呼ばれるもので、
〇自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
〇自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為
上記の条件を満たした場合に適用される駐車違反になりまして、3ヶ月以下の懲役または20万円以下の罰金という、かなり重い刑事処分が待っています。
駐車違反の点数と反則金について
駐車違反の点数については、下記のように定められておりまして、駐停車禁止場所での駐車違反で3点、駐車禁止場所での駐車違反で2点の違反になります。
点数 | |
---|---|
駐停車禁止場所等 | 3 |
駐車禁止場所等 | 2 |
また、行政処分については下記の通り、法律で定められています。
前歴が2回や3回といった状態で、駐停車禁止場所での駐車違反で3点の加算となると、免停120日以上となってしまいます。
免停期間 | 前歴なし | 1回 | 2回 | 3回 |
---|---|---|---|---|
30日 | 6~8点 | |||
60日 | 9~11点 | 4~5点 | ||
90日 | 12~14点 | 6~7点 | 2点 | |
120日 | 免許取消 | 8~9点 | 3点 | 2点 |
150日 | 免許取消 | 免許取消 | 4点 | 3点 |
180日 | 免許取消 | 免許取消 | 免許取消 | 免許取消 |
なお、一度出されてしまった行政処分につきましては、行政処分に不服であったとしても、よほどの緊急性を認められない限り(認められることはまずありません)、その行政処分を受けた後でないと、その処分の取り消しを求めることはできません。
行政処分の取り消しについて詳しく知りたいという方は、行政事件訴訟法(参考/総務省法令データ提供システム)を参考にして頂ければと思います。
なお、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の違反の場合は、それだけでは違反点数の加点はありません。
出頭しないと違反点数の加点はなし?
先ほど、「放置駐車違反」の処分については、「運転者責任」と「使用者責任」で2つに分かれているという話をしましたが、その2つが分かれるポイントはどこにあるのでしょうか?
実は、現在のところそのポイントとなるのが、「出頭」するかどうかなのです。
順を追って説明したいと思います。
違法駐車をして「放置駐車違反」の確認標章が貼られた時点では、まだ駐車違反をしたという”推定”の段階で、誰に対して、どういった処分が下されるかということは確定していません。
そして、確認標章を持って警察に出頭して、駐車違反をしたという事実を認めた時点で「運転者責任」を初めて問われることになり、そのときに「反則金」の支払いと「青色切符」を切られることになりますす。(青色切符が切られない場合もある)
ちなみに反則金の支払いは行政制裁金であり、任意となっていまして、警察の判断が不服であれば、支払わずに控訴することも可能です。
なお、運転者責任が認められ、青色切符を切られてしまった場合は残念ながら、それをひっくり返すのは、ほぼ絶望的です。(つまり、違反点数を受け入れるしかありません。)
では、出頭しないと、どうなるのでしょうか?
答えはすごく簡単で、「使用者責任」しか問われません。
つまり、「放置違反金」を納付すれば、それで駐車違反の処分は終了となります。
え?じゃあ、駐車違反で捕まっても、出頭せずに黙って家で待ってて、「放置違反金納付書」が届くのを待ってそれを支払えば、違反点数は加点されずに済むということ?
そうなんです。
現行の法律では、そういう状況になっておりますので、駐車違反で確認標章が貼られた場合は、出頭しない方が、行政処分の違反点数の加点を受けないで済むということになります。
(※ただし、警察からその事実を突き止められた場合は、「運転者責任」を問われることになりますので、必ず「運転者責任」を免れるというわけではありません。)
ちなみに、「放置違反金」も支払わずにいると、今度は警察から陸運局などに通知が行き、車検を拒否されたり、その次に差し押さえが待っていますので、ご注意ください。
こうした行政機関の連携については、マイナンバー制度でますます厳しくなることが予想されます。
駐車違反の罰金及び反則金と罰則について
では、続いて、駐車違反の罰金と罰則について見ていきたいと思います。
まず、駐車違反の反則金(放置違反金)については、車両の種類や場所により、かなり細かい料金テーブルとなっています。
また、上記とは異なり、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」が適用された場合は、
3ヶ月以下の懲役または20万円以下の罰金
という処分になります。(第十七条)
刑事処分の内容については裁判の上で確定となりますが、上記の法律の適用があった場合、交通犯罪となり下される刑事処分の内容によっては、その犯罪記録は様々な公的機関で残りますので注意が必要です。
交通犯罪の記録の保管期間につきましては、
内容 | 記録の保管期間 |
---|---|
罰金以下の刑(罰金・拘留・科料) | 5年 |
禁錮以上の刑(死刑・懲役・禁錮) | 10年 |
(関連法 刑法27条・31条~34条 恩赦法3条・5条 少年法60条、刑法56条・57条 犯歴事務規定2条・8条・18条) |
というのが目安となっていまして、市町村役場、検察庁、警察、公安委員会でそれぞれ、「犯罪者記録」として保管されることになります。
まとめ
今回は、駐車違反を3つのタイプに分けて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
中でも出頭するかしないかで、「運転者責任」と「使用者責任」のどちらで処分を受けるかを”選べる”というのは、現行の法律の矛盾点と言えるかと思います。
行政処分を受けなくていい可能性が高いのであれば、多くの人は「使用者責任」を選びますよね・・・。
いずれ、この問題については警察などが法改正で対応してくると思われますが・・。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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