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飲酒運転の点数と罰金そして検挙された後の対策について

飲酒運転がこれまで引き起こしてきた重大事件は計り知れない数で、その被害の大きさから考えて、飲酒運転の厳罰化は今後も強まることはあっても、緩くなるということは、まず考えられません。

そこで、今回は飲酒運転について本人及び同乗者や幇助者に下される、刑事処分、行政処分、民事処分、会社からの処分という4つの処分に加えて、保険会社の対応、さらに、検挙された後の対策などについて見ていきたいと思います。

では、さっそく見ていきましょう。

飲酒運転における免停・免許取り消しについて

まず、最初に飲酒運転における行政処分からご覧ください。

飲酒運転で検挙されるときの代表的な違反ケースとその点数を表にまとめました。

違反内容点数
酒酔い運転+死亡事故55点
酒酔い運転35点
酒気帯び運転(0.25以上)35点以上適用の違反以外一律25点
酒気帯び+無免許運転25点
酒気帯び(0.15以上0.25未満)+スピード違反(50 km/h以上)19点
酒気帯び(0.15以上0.25未満)+スピード違反(30(高速40)km/h以上50km/h未満)16点
酒気帯び(0.15以上0.25未満)+スピード違反(25 km/h以上30(高速40)km/h未満)15点
酒気帯び(0.15以上0.25未満)+スピード違反(25 km/h未満)14点
酒気帯び運転(0.15以上0.25未満)14点

そして、上記のようなケースで検挙されてしまうと、行政処分としてはどういった処分が待っているのかということを表にまとめたのが、下になります。

免停期間前歴なし1回2回3回
30日6~8点
60日9~11点4~5点
90日12~14点6~7点2点
120日免許取消8~9点3点2点
150日免許取消免許取消4点3点
180日免許取消免許取消免許取消免許取消

ご覧いただきました通り、最も軽い「酒気帯び運転」で検挙されたとしても、初回一発で14点ですので、90日の免許停止処分は確定するということになります。

ただ、「酒気帯び運転」の他に、例えば25km以上のスピード違反や合図不履行、割込み、シートベルト装着義務違反などの交通違反で1点でも加点されてしまいますと、初回一発で免許取り消しになってしまいます。

飲酒運転で検挙されてしまったときは、かなりの確率で「免許取り消し」という行政処分を覚悟しておく必要があります。

そして、免許取り消しの後の免許の再取得については、最短で3年、最長で10年という行政処分を受けることになります。(例/飲酒運転+死亡事故の場合は免許取り消し後、7年間は再取得できない)

なお、一度出されてしまった行政処分につきましては、行政処分に不服であったとしても、よほどの緊急性を認められない限り(認められることはまずありません)、その行政処分を受けた後でないと、その処分の取り消しを求めることはできません。

行政処分の取り消しについて詳しく知りたいという方は、行政事件訴訟法(参考/総務省法令データ提供システム)を参考にして頂ければと思います。

飲酒運転における罰金・懲役などについて

では、続いて飲酒運転で検挙された時の刑事処分について見ていきたいと思います。

まず飲酒運転で捕まった本人の刑事処分は下記の通りとなっています。

違反内容内容
酒酔い運転(本人)5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転(本人)3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

飲酒運転で人身事故などがなければ、懲役が課されるということは過去の判例からも、あまり例がなく、罰金刑で済むことがほとんどです。

ただ、一回の違反で50万円や100万円といった罰金が課せられてしまいますので、その点については覚悟しておく必要があります。(仮に初犯だとしても、減額はそれほど期待できません。)

では、続いて、本人以外の車両の提供者、酒類の提供者、同乗者等の罰金・懲役がどうなっているのかということについて見ておきましょう。

対象者違反内容内容
車両の提供者酒酔い運転5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
車両の提供者酒気帯び運転3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒類の提供者酒酔い運転3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒類の提供者酒気帯び運転2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
同乗者等酒酔い運転(酒酔い運転状態であることを認識していた場合に限る)3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
同乗者等酒気帯び運転2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

車両の提供者については、運転者本人と同じ厳しい刑事処分が待っています。

また、同乗者であっても30万円以下または50万円以下の罰金が課されますので、ドライバーが飲酒運転で検挙された場合、乗り合わせているだけで、かなり厳しい刑事処分が待っているということになります。

なお、交通犯罪と言いましても、下される刑事処分の内容によっては、その犯罪記録は様々な公的機関で残りますので注意が必要です。

交通犯罪の記録の保管期間につきましては、

内容記録の保管期間
罰金以下の刑(罰金・拘留・科料)5年
禁錮以上の刑(死刑・懲役・禁錮)10年
(関連法 刑法27条・31条~34条 恩赦法3条・5条 少年法60条、刑法56条・57条 犯歴事務規定2条・8条・18条)

というのが目安となっていまして、市町村役場、検察庁、警察、公安委員会でそれぞれ、「犯罪者記録」として保管されることになります。

また上記はあくまで目安で、重い刑が科された場合などは、検察庁などでは、「本人死亡」まで犯罪記録として保管される場合があります。

飲酒運転で事故を起こしたときの民事処分

飲酒運転をしていて、人身事故や物損事故を起こした場合、その損害賠償責任などは民事処分になりまして、それについても裁判で下された内容について責任をとる必要があります。

下される民事処分の内容については、事件の特徴により開きがありますが、民事処分に対する補償が及ぶ範囲、そして保険会社の対応は厳しいものになる可能性が極めて高いです。

自賠責保険、任意保険(加入している場合)ともに、その被害者への保険金などは契約の範囲内で給付されますが、ドライバー本人の治療費や入院費、車両の修理代などは補償されないことがほとんどです。(参考/一般社団法人日本損害保険協会-飲酒運転事故における自動車保険の補償範囲について-)

また、民事処分で注意しなくてはいけないのは、そうした事故を引き起こす原因となった張本人とは別に、そのドライバーに飲酒をすすめた人も、「共同不法行為」として、民事処分を受けることもあるということです。

東京地裁は2006年に「注意義務を怠った」として、飲酒運転で当時19歳だった女子大生を轢死させた事件で、7時間ほどお酒を一緒に飲んでいた「同僚」に対して、5,800万円の賠償命令を下した判例があります。

飲酒運転で検挙されたときの会社からの処分

飲酒運転の厳罰化、そして企業の法令順守(コンプライアンス)の動きに伴い、飲酒運転での検挙に対する会社からの処分については、極めて厳しい処分が待っていることが多くなってきています。

物流、旅行、運輸、自動車などの業界では、飲酒運転で検挙されてしまいますと、内容によっては、一発で解雇といった可能性もあります。(内定者の場合は、内定取り消しなど)

公務員のケースではニュースでも度々報じられることがありますが、免職になることもあったりします。(ただし、近年は検挙の内容によっては、免職にならなかったり、免職になっても取り消しになることも)

飲酒運転で検挙されたときは、雇用契約書を確認したり、総務に相談するなどして、会社からどういった処分が下される可能性があるのかということを早急に把握した方がいいでしょう。

また、飲酒運転での検挙が解雇理由となってしまった場合、次の仕事探しにも大きな影響が出ることが考えられますので、会社側との交渉は慎重に進める必要があります。

まとめと飲酒運転で検挙された後の対策について

飲酒運転で検挙される最も典型的なケースとしては、免停90日、あるいは免許取り消し、それに加えて、刑事処分の罰金刑という状況ではないでしょうか。(なお、交通違反の刑事処分は「前科」となりますが、5年で警察記録からは消えます)

そうした状況を考えますと、まず着手するべきはお金の工面、自動車保険会社の解約手続き、車の処分などになります。

そして、勤務している会社と結んだ雇用契約書があれば、契約書の確認をする必要があります。

また、酒類の提供者や車両の提供者がいれば、そういった人たちにも連絡を入れる必要があるでしょう。

なお、事故などを起こしている場合で、法律の専門家を頼る必要がある場合は、法テラス弁護士ドットコムなどのサイトで、法律の無料相談を行っていたりしますので、相談してみることをおすすめします。

法改正で厳罰化された今、飲酒運転で検挙されてしまうということは、大変重い罪になっていますが、起こってしまった現実を受け止めて、難局を乗り越えていく他ありません。

本記事が、少しでもお役に立てることを祈っています。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。