今、乗っている車を売るのと乗りつぶすのは、経済的にどちらがお得なのか?というのは、その車が人気車であるかどうか、そして、国内だけでなく海外でも売れそうな車であるかどうかなど、乗っている車によっても”事情”は変わってきます。
今回は、そうした点も含めて、実際の事例を交えながら、中古車を売って買い替えをする方がお得なのか?、それとも、乗りつぶした方がお得なのか?ということを説明していきたいと思います。
早速、見ていきましょう。
乗っている車が高く売れるのであれば、買い替えがお得
車を売るのと乗りつぶすことを比較したときに、最も大きなポイントの一つになるのが、その資産価値、つまり、車はいくらで売れるのか?という点です。
例えば、購入価格が100万円で5年後に、90万円で売れるのであれば、買い替えた方がお得になるというのはすぐに分かるかと思います。(6年目以降は買い取り価格が下がりやすく、そこで売れば、車検代を考慮しなければ、1年あたり2万円で済むことになります。)
そして、それを実現できる可能性のある車の一つが人気車です。
例えば、中古車市場でも人気の高い新車を3年目の車検を受けずに買い換えするケースでは、1年あたりに車両にかかる金額はかなりお得になることが多く、乗りつぶすよりも経済的になることがあります。
上の図は、実際にトヨタの人気車を新車で購入して3年目の車検を通す前に売却したケースですが、1年あたりの車両にかかる金額は約20万円になっていることがお分かり頂けるかと思います。
この場合、購入代金の260万円については、頭金を少し多めに支払うなど、自動車ローンはできるだけ少ない形にして購入することがポイントになるかと思います。
では、仮にこの車を3年目で売らずに、一般的に”乗りつぶす”とされる12年目以降に車を売却したと仮定しますと、下記のようになります。
車検は3年目(10万円)、5年目(10万円)、7年目(10万円)、9年目(20万円)、11年目(20万円)と計5回受けて、その中に修理代も含まれていたと仮定します。
ご覧いただきました通り、12年目で売却すると1年あたりの車両にかかる金額は約27万円程度、3年目で売るよりも乗りつぶす方が車両にかかる金額が増えています。
中古車市場で高値で取引される人気車の場合は、乗りつぶすよりは、買い替えの方がお得になるケースがあるということがお分かり頂けるのではないでしょうか。
人気車でなくても、輸出できる車などは高値で買い取りも
先ほどは人気車のケースを見てきましたが、では、人気車でない場合はどうでしょうか?
国内で人気車でないからといって、高値で買い取りが難しいかと言われますと、実はそんなことはありません。
中でも海外に輸出できそうな4WDの日本メーカーの中古車は年式の古さや走行距離などの影響をそれほど受けずに、高値で買い取りが可能になるケースがあります。
実際に、財務省の貿易統計から中古車の輸出台数を当サイトの編集部にて抽出した下記のグラフをご覧頂ければ、日本から海外への中古車の輸出が右肩上がりで伸びていることがお分かり頂けるかと思います。
具体的には、ハードクロカンSUVの三菱・パジェロやトヨタ・ランクルプラドなどは、日本での5年5万キロや10年10万キロといった買い取り価格が下がりやすい目安にもそれほど影響を受けずに、買い取りされることがあったりします。(必ずというわけではありません。車の状態にもよります)
もちろん、そういった場合は、町の中古車屋さん1社に査定してもらうだけでは、難しいですが、大手や輸出に強い中堅の買い取り業者なども含めて、複数の買い取り業者に査定をお願いすることで、思わぬ買い取り価格が提示されて、お得になったりすることがあります。
上の図は、実際にネットの買い取り一括査定サービスを利用して、中古車を買い替えを行った時のイメージですが、最安値45万円と最高値の55万円で10万円の開きがあります。
買い替え派VS乗りつぶす派
ここまで、買い替えがお得になるケースをご紹介してきましたが、そうは言いましても、ローンが残っていたり、買い換えためのまとまったお金を用意するのが難しかったり、車以外のことにお金を使いたいといった人も多いと思います。
そこで、買い替え派と乗りつぶす派がどういったポイントで車のことを考えているのかを、ネットや雑誌などの意見をもとに、編集部が独自の視点を交えて表にまとめみましたので、参考にしていただければと思います。
それでは、まず、乗りつぶす派から見ていきたいと思います。
〇車を乗りつぶす派
乗りつぶす派 | ポイント |
---|---|
お金 | ・新しい車を買うお金がもったいない ・車のローンがまだ残っている ・車の優先順位は低いので、車以外のことにお金を使いたい ・車のローンを組むのが嫌だから、お金ができるまで買いたくない ・燃費が悪かったり、維持費が多少かかっても、買い替えるよりは安いと思う |
老朽化・経年劣化への不安 | ・今のところ、乗れているから問題ない ・日本車の安全性や機能を信頼している |
見た目・外観・周囲の目 | ・動けば何でもいい ・周囲の目は気にならない ・特にこだわりもない |
気持ち | ・乗り慣れた車に愛着がある ・今の車が好きだから売るのは悲しい ・新しい車に興味がない |
経済的には、カーローンを組むのが嫌で資金を貯めていたり、燃費が悪かったり、維持費が多少かかっても、まとまったお金を用意するよりは安いというスタンスの方が多いようです。
実際に新車登録から13年以降の車検価格は上がりますが、確かに古くなっても車の状態が良く、維持費やランニングコストがそれほど負担にならないのであれば、乗れるだけ乗った方がお得というのは最も意見だと思います。
また、乗りつぶす派の人は、今の車で満足している、あるいは愛着があって手放したくないという心理面での要素もポイントになっています。
〇車の買い替え派
買い替え派 | ポイント |
---|---|
お金 | ・古くなると車検代や税金の負担が重くなる ・修理代がかかりやすい ・買い取り価格や下取り価格が下がって損をする ・エコカー買い替えであれば、免税・減税の恩恵がある |
手間・面倒 | ・修理に出すのが増えて、その分だけ手間がかかる ・故障したりして、代車に変更など面倒が増える |
老朽化・経年劣化への不安 | ・隠れた不具合が出てきそうで不安 ・原因不明の異音や違和感があり心配 ・万一、運転中に何かあったら怖い |
保証やアフターサービス | ・メーカー保証が切れてしまって何かあったら心配 ・販売店の保証が切れてしまい心配 |
見た目・外観・周囲の目 | ・小さな擦り傷やへこみが気になる ・近くの駐車場に古い車がなく、自分だけ古い車に乗っていることが恥ずかしい |
気持ち | ・新車や年式が新しい中古車の方が気持ちいい ・最新の車の機能を楽しめる ・車はファッションと同じで楽しくないと意味がない ・新しい車の方が事故対策などセキュリティがしっかりしてそう |
買い替え派の方は、経済的には、どちらかというと損をしたくないという意識が強く働いている印象で、維持費がかかったり、買い取り価格が安くなることを避けていることが窺えます。
また、経年劣化への不安や何かあったときの手間、周囲の目、新しい機能など、かなり幅広い視点で車を評価していることが分かります。
極論にはなりますが、車は動けばいいという意見と、車はライフスタイルを豊かにするものだという意見があったとすると、買い替え派は後者に属する価値観を持った人が多いように感じます。
まとめ
車を買い替えるか、乗りつぶすかのはどちらが得か?ということについては、車の売却価格や車の売り方などにより、変わってきますので、ズバリ、こっちがお得です!とは明言できないのが現実です。
しかし、経済的な面に加えて、経年劣化から生じる手間に対するコストや不安に対するコスト、満足感といった、なかなか数値化しにくい価値も考慮に入れるとすると、車に対してどういった価値観を持っているのかということで、どちらをお得に感じるのかは変わってくるかと思います。
現実的にお金の工面はもちろん大事なことに変わりはありませんが、心理面でのコストも考えながら、天秤にかけたいところだと思います。
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