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自動車税滞納や違反金未払いのままだと車検は更新できない

毎年4月に通知がやってくる自動車税。

決して安くない金額の税金である自動車税ですが、未払いや滞納している状態のまま車検を受けても、車検の有効期間は更新ができません。

有効期間を更新せずに車を運転することは無車検運行ということになり、道路交通法違反になりますので、注意が必要です。(無車検運行は違反点数6点、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金)

そこで、今回は自動車税未払いや税金を滞納しているときの、車検の受け方などについて見ていきたいと思います。

税金未払いでも車検自体は受けることができるが・・

まず、税金未払いや滞納している状態であっても、車検の整備点検、検査そのものは受けることができます。

国から車検の整備から検査までの許可を得ている指定工場に車を持ち込み、車検を依頼すると

「納税証明書を1週間以内に持ってきて貰えれば大丈夫です」

と言われるはずです。

それは、ユーザー車検などで自分で陸運局に持ち込んだ場合でも同様です。

ただ、注意しなくてはいけないのは、納税証明書の発行にかかる時間です。

納税証明書は自動車を登録してある陸運局に税金を支払った後に、交付してもらえるのですが、この交付までに「一週間程度」の時間が掛かってしまうことがほとんどなのです。

つまり、急いでいるときに、とりあえず、車検を通しながら税金の支払いを同時進行で進めようと思っても、陸運局の納税証明書の交付が間に合わない可能性があるのです。

税金未払いの状態で車検を受けるときは、まずは、自動車税を支払い、納税証明書を受け取った後、車検を受けるようにした方が無難です。

追記:平成27年から、上記の納税証明書の提出は省略されることになりました。国土交通省(運輸支局等)と都道府県のシステムを連携するようになったため、納付・あるいは未納付についてはシステムで即座に分かるようになりました。

※ただし、一部の自治体では納税証明書欄に★印がついていて、納税後も、電子的な納付確認ができない場合があります。その場合は税事務所で書面の交付を受けるしかありません。

一時抹消登録をしてから車検を受ける方法について

ここまで自動車税の未払いや滞納状態のままだと、車検の有効期間が更新できないという説明をさせていただきましたが、別の方法を使えば、車検期間を更新することが可能です。

それが一時抹消登録という方法です。

一時抹消登録は、車を売却や譲渡した後、車の所有者が変わるまでの間、一時的に税金の支払いを止めておくための制度ですが、その制度を利用するという方法になります。

この方法を使って、プレート代や印鑑証明書発行手数料、自動車の変更登記のための印紙代などを用意すれば、新しい車として車検を受けることができることになりますので、車検の有効期間を更新することが可能になります。

ただし、この方法はおすすめできません。

未払いの自動車税には延滞金などが発生しますし、給料の差し押さえに発展したり、さらに、悪質と判断された場合は、課税逃れとみなされて、検察などに起訴されてしまう可能性も否定できません。

本来の制度の趣旨とは異なる使い方で、税金の支払いを避けて車検を受けるためだけに、一時抹消登録をするというのは、その後のことを考えますと決しておすすめできる方法ではありません。

また、今後はマイナンバー制度の普及に伴って、行政機関の間で、税金の未払いや滞納に関する情報を共有することが考えられますので、そうした行為が見つかりやすくなることも考えられます。

駐車違反の放置違反金未払いと車検拒否について

自動車税の未払いとともに、気をつけなくてはいけないものとして、駐車違反の放置違反金の未払いがあります。

駐車違反で違反切符を切られ、放置違反金を未払いのまま車検を受けても、警察から陸運局に通知が届き、「車検証の交付を拒否」されることになります。

平成18年6月1日から施行された車検拒否制度ですが、車検を通したときに未払いが発覚した場合は、その支払いを終えたという「領収書」または「納付・徴収済確認書」を提出する必要があります。

「領収書」または「納付・徴収済確認書」の違いについては、下記の通りとなっています。

「領収書」・・金融機関やコンビニエンスストアの窓口で放置違反金等を納付したときに発行してもらえるもの

「納付・徴収済確認書」・・滞納処分により放置違反金等を徴収されたとき、又は「領収書」を紛失し警察署等に申請したときなどに交付されるもの

参考/警視庁-車検拒否制度

車検の更新は必ずした方がいい

ここまで自動車税の未払いや放置違反金の滞納による車検の更新について見てきましたが、支払いが面倒だったり、少しの間だったら大丈夫かな・・・といった考えで無車検で運転することは絶対にやめましょう。

無車検運転、そして、同時に切れることが多い自賠責保険の期限切れのまま運転する=無保険運転のダブルで捕まると、課される罪は大変重いものが待っています。

詳しくは、「車検切れの罰金と交通違反」の記事をお読みいただければと思いますが、さらに、その状態で交通事故を起こしてしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。

税金や放置違反金を支払ってその後に車検を受けるか、あるいは、思い切って車を売却して税金を支払ってしまった方が、最大80万円の罰金と免停または免許取り消し処分を受けるよりも、はるかに”マシ”です。

読者の方が冷静に判断されることを祈っています。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。