「中古車を買うときに現金一括払いだと値引きされないって聞いたんだけど、本当?」
「中古車を現金一括払いで購入すると、車のローンの金利を払わなくていいから得じゃない?」
今、中古車を現金一括払いで購入するかどうかを考えている人の中には、こんな風に考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は自動車業界の片隅で働く筆者が「中古車を現金一括払いで購入するメリット・デメリットと買い替えで損をしなたいめの注意点」について説明していきたいと思います。
中古車は現金一括払いで購入してもローンで買っても金額差はほとんどない
メリットとデメリットの説明に入る前に、まず大前提として知っておいて欲しいこととして、中古車を現金一括払いで買っても、ローンを組んで購入しても、金額差はほとんどありません。
なぜなら、現金一括払いで中古車を購入すると、多くの販売店がローン会社から得られるバックマージンを得られないことを理由に購入時の値引き額を少なくしてしまい、ローンで購入すると購入時の値引き額は大きくなりますが、金利分の負担が発生するからです。
この仕組みは実は中古車に限ったことではなく、新車や携帯電話などでも同じような仕組みになっていまして、”話の早い”販売店になると、購入時に
「現金一括でもローンで購入してもお支払総額は同じです」
という説明を、ズバッとしてくるほどです。
もちろん、町の個人オーナーが経営している中古車屋さんなどでは例外的に現金一括払いの方がお得というケースもありますが、オーナーの裁量が大きいことや、中古車そのものが、それほど流通量の多くない国産車や輸入車だったりしますので、そういったケースはやはり”例外”と考えるべきかと思います。
中古車を現金一括払いで買うメリット・デメリット
現金一括払いとローンを組んでの返済は「総額」という面では、ほぼ同じということを前提として、現金一括払いで購入すると、どんなメリットとデメリットがあるのかを見てみましょう。
筆者がそれらを表にまとめましたので、ご覧ください。
メリット | デメリット |
---|---|
ローンがないという安心感 | 手もとから現金がその分減ってしまう |
売りたいときにいつでも売れる | |
毎月のローンの支払いがない |
メリットその1~ローンがないという安心感~
ローンが残っているというと”借金をしている”という感覚から、どうしても精神的に”不安”を感じてしまうという人も少なくないかと思います。
その点、現金一括払いではローンそのものがありませんので、安心感が違います。
筆者の友人には、ローンがとにかく嫌!というのが口癖で、クルマも携帯電話もマンションもすべて「中古で一括払い」という”猛者”もいます。
メリットその2~売りたいときにいつでも売れる~
現金一括払いで中古車を購入する最大のメリットと言えるかもしれません。
現金一括払いだと、ローンがありませんので、所有者も使用車も名義は自分になり、中古車を購入してから半年でも2年後でも、自分の好きなタイミングで売却することができます。
筆者の知人の経営者の人は、この好きなタイミングで車を売れるという理由でいつも中古車を購入するときは現金一括払いで、その背景には節税と突発的な資金繰りの対策があると語ります。
なおローンを組むと使用者名義は本人になりますが、ローンを完済するまでは所有者名義は販売店かローン会社というのが一般的で、仮に5年ローンなんかを組んでいるときは、5年間は車を売りづらい状況が続きます。
実際にはローンの返済途中でも売ることはできなくはないのですが、名義変更やローンの残債の一括返済を求められたりなど、ローン返済中のクルマ売却のハードルは決して低いとは言えません。
メリットその3~毎月のローンの支払いがない~
家のローンやマンションの家賃、電気光熱費に携帯電話代、飲食費など毎月支払いが”かさむと”経済的にキツイですよね・・。(筆者も過去に何度も味わっています(><;))
それが現金一括払いともなると、毎月のローンの支払いがありませんので、経済的にはグッと楽になります。
毎月の支払いが”カツカツ”という人は、できるだけ現金一括払いで済ませてしまうことを考えた方がいいでしょう。
デメリットその1~手もとから現金がその分減ってしまう~
中古車でも人気車になると、新車さながらという価格もあったりして、いきなり100万円~300万円もの大金をポンと支払ってしまうというのは、勇気がいるという方もいるのではないでしょうか。
実際に知人などから「預貯金を全額”はたいて”中古車を買う予定ですが、大丈夫でしょうか?」なんてことを、相談されることがあり、こちらが困惑してしまうということもあったりします。
そんなときは「さすがに預貯金をゼロにするのは、何かあったら大変なので辞めた方がいい・・」と回答しますが、何人かに一人は「何も起こりそうもないので、買っちゃいますねー(笑)」と言ってサラッと買ってしまうという人もいます・・。
最終的には自己責任になるのですが、ある程度は余裕を持って購入計画を立てることをおすすめします。
中古車の買い替えで損をしないための注意点
ここまで現金一括払いでの中古車の購入のメリット・デメリットなどを見てきましたが、実は現金一括払いか、ローンを組むかということの他に、中古車の買い替えで損をしないための重要な注意点として、「車の下取り」があります。
どういうことかと言います、中古車の販売店の中には、値引き額を大きく見せるために、下取り予定のクルマを少しでも安く査定しようという業者がいるのです。
自動車業界の片隅にいる一人の人間としても非常に残念なのですが、中古車を売る専門の販売店と中古車を買う専門の買取店ではビジネスの構造が違うために、そうした現状が起こってしまっています。
では、そんな不利な下取りをせず、妥当な買い取り価格を引き出すためには、どうすればいいかと言いますと、中古車の買取一括査定を利用したりして複数の業者に査定をしてもらうことが大切になってきます。
(上記は中古車の買取一括査定のイメージで、代表的な会社に東証一部上場企業のエイチームが運営するナビクル車査定やリクルートが運営するカーセンサーなどがあります)
中古車の価格はその買取業者によって大きく異なりまして、例えば地域や、時期、査定士などによっても査定価格は変わってきます。
現金一括払いか、ローンを組むかを検討している方には、是非ともこうした点にも注意していただければと思います。
まとめ
「中古車を現金一括払いで購入するメリット・デメリットと買い替えで損をしないための注意点」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
筆者自身の経験、これまで相談を受けてきた知人や友人などのケースから、本音ベースで中古車の現金一括払いでの購入について説明させていただきました。
本記事が読者の方に、少しでもお役に立てれば幸いです!