「中古車の購入を検討中。どうすれば少しでもお得に手に入れることができるの?」
「新車は高いから・・と思っていたら中古車も高い・・安く手に入れるコツってないの?」
「中古車が欲しいんだけど、安く買うテクニックと注意点があれば、教えて欲しい」
今、中古車の購入を検討中の方の中には、こんな風に考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は自動車業界の片隅で働く筆者が、「中古車を安く買うコツ9選と注意点」について、自らの経験も交えながら、説明していきたいと思います。
【中古車を安く買うコツ8選と注意点のまとめ】
安く買うためのコツと注意点 | |
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時期 | 自動車の売買データから見えるのは3月、8月、11月前後? |
車種 | SUV、セダン、ワゴン、コンパクトカーなどから狙いを定める |
走行距離 | 長ければ安いが、故障リスクやメンテナンスリスクも見逃せない |
年式 | 年式が古いと税金面でコスト負担が重い・・ |
カラー | 白・黒・シルバーを避けると値段がガクッと下がる?! |
車検 | 車検を通してない中古車が安いこともある! |
税金 | 自動車税、自動車重量税の額をチェックで維持費ダウン |
リセールバリュー | 値段が下がりにくいクルマはトータルではお得! |
上記の表は筆者がこれまで中古車の売買などを見てきて、ここが大事!というポイントをまとめたものになりまして、それぞれについて詳しく、下で見ていきたいと思います。
早速、見ていきましょう。
1.中古車を安く買うなら、時期は3月、8月、11月前後がねらい目?
ボーナス商戦が盛んな年末や夏前にディーラーが「新車」の販売に精を出す一方で、中古車の”登録”がガクッと落ちる時期があるのはご存知でしょうか?
下記は日本自動車販売協会連合会から抽出し、筆者がグラフ化したものですが、2014年から2017年までの4年間、ほぼ同じように毎年、8月と11月の登録が落ち込んでいるのがお判りいただけるかと思います。
参考/日本自動車販売協会連合会
「中古車の登録が落ちると、なぜ中古車を安く買えるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
その理由は、需要と供給にありまして、需要が落ち込む8月や11月前後は買い手が少ない分、売り手は値段を下げざるを得ないのです。
売りたい人が多い | 売りたい人が少ない | |
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買いたい人が多い | △(中古車価格/普通) | ×(中古車価格/高い) |
買いたい人が少ない | ◎(中古車価格/安い) | ○(中古車価格/やや安い) |
また、需要と供給という視点から上のグラフを見てみますと、毎年3月前後は大量に中古車が登録されていることも一目瞭然で、売買がそれだけ盛んに行われるということは、色々なタイプの中古車の中から探すことができるということになりますので、お買い得に探せる時期の一つであると言えます。
参考/日本自動車販売協会連合会
中古車をお買い得に手に入れるための時期として、3月、8月、11月前後はおすすめです。
2.SUV、セダン、コンパクトカー、どんな車種を選べば中古車を安く手に入れることができるの?
この記事を執筆している2018年現在、最も人気の高い車種と言えば「SUV」で、国産車、輸入車問わず、SUVの売れ行きは絶好調という状況です。
その結果、中古車市場でも「SUV」は高値で売買されることが多い状況になっていまして、また、コンパクトカーや軽自動車などもコスパ思考の高いドライバーに支持され、中古車市場では価格が安定的に推移しています。
「では、どんな車種なら安く買えるのか?」
それを総合的に判断していただくために、車種ごとの特徴と現在の状況がどうなっているのかということを筆者が表にまとめてみましたので、下記の表をご覧ください。
車 種 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ミニバン | 3列シートで、乗車定員も5名以上という収容能力の高さが魅力。シートは畳んだり、フラットにしたり、レジャーなどでも大活躍できるのがメリット。 | ルーフが高く、重心が上がるので、操縦性はあまり安定していない点はデメリット。また、メーカーによる違いはほとんどない。 |
軽自動車 | 燃費もいい上に、税金なども安く、コストパフォーマンスは抜群 | 排気量が少なく、重量が軽いため自動車としてのパワーは普通車に比べると劣る |
小型乗用車(コンパクトカー) | 車のサイズ、プライス、操縦性の高さと低燃費などのスマートさが魅力 | あまり人気がない・・軽自動車との比較で価格も値崩れやすい傾向に |
ハイブリットカー | 燃費の良さ、環境への配慮、最新のテクノロジーなど社会的なメリット大 | 運転性能については、他の車に比べるとやや劣る車種も・・ |
セダン | 安定性、居住性、落ち着いた雰囲気など | デザインとしての遊び心や軽さは感じられない。近年は人気薄 |
SUV | アウトドアで威力を発揮する他、重厚感のあるデザインは魅力 | 燃費はあまりよくない。また狭い場所での操作性は悪い |
ワゴン | 室内スペースが広く、居住性と荷物の積載性が高い | 人気がないところが最大の欠点 |
スポーツカー | デザインや走りを重視した遊び心が満載な点が何と言っても魅力 | 価格が高鋳物が多く、居住性は低い |
鋭い方はもうお分かりかと思いますが、お買い得な中古車を狙うのであれば、近年、人気が落ち込んでいる「セダン」や「ワゴン」がおすすめになります。
人気薄のワゴンの中でも、特にコンパクト・ワゴンはコンパクトカーとSUVのいいとこどりのようなスタイルで、筆者的にはかなりおすすめの車種です。
下記は筆者おすすめのコンパクトワゴンの一つである「ボルボ・V40」(2014年次RJCカーオブザイヤーインポート受賞車)
写真出所/ボルボ
3.走行距離が長いクルマは価格は安いが、故障リスクやメンテナンス費用が重くなる場合もあるので注意
良く知られた話として、走行距離が長いクルマは価格が安くなるというものがありますが、実際に、「ガリバー」などのサイトで調べていただくとお分かりの通り、10万キロ超えの中古車は、ぐっと価格が安くなっていることが分かります。
「ガリバー」のサイトでは、ありがたいことに「走行距離が多い順」で並び変えることができますので、車種やメーカーを絞り込んでよく調べてみると、思わぬ掘り出し物が見つかったりします。
ただ、一方で走行距離が長いクルマはメンテナンス費用がかさみがちだったり、燃費が悪化することがあったりしますので、その点は注意が必要です。
「では、走行距離が長くても安心して乗れるクルマってないの?」
この点に関しては、中古車の状態にもよりますが、例えば、その”頑丈さ”を売りにしているスズキのジムニーなどは走行距離が長くても比較的、状態が安定していることが多く、お買い得な中古車の一つと言えます。
写真出所/スズキ
4.年式の古い中古車は税金の負担増に注意
年式が古い車には価格面でかなりお買い得な車もありますが、税金という意味においては、かなり不利な点が多いため、注意が必要です。
と言いますのも、国土交通省は「自動車のエコ化」を強力に推進しておりまして、環境への影響が大きい中古車への課税を強化しているのです。
下記は国土交通省が毎年、発表している自動車にかかる税制見直しをまとめたレポートからの抜粋ですが、「燃費性能がより優れた自動車の普及を継続的に促す構造を確立する」と明記されています。
自動車重量税に係るエコカー減税の見直しについては、燃費水準が年々向上して いることを踏まえ、燃費性能がより優れた自動車の普及を継続的に促す構造を確立 する<中略> |
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参考/平成29年度税制改正の大綱 - 国土交通省 |
実際に、13年目以降にかかってくる税金とエコカーを新車で購入した場合の自動車税と自動車重量税を3年分で比較してみますと、その差は歴然です。
税金 | 13年経過したガソリン登録車 | エコカー(新車購入) |
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自動車税 (総排気量2リットル以下) | 45400円 | 0円(初年度) |
自動車重量税/3年 (~2,000kg以下) | 40000円 | 0円 |
5.人気カラーの白、黒、シルバーを避ける!
下は少し古いデータですが、2012年にPPGインダストリー(世界的な塗料サプライヤー)とデュポン(世界を代表する化学メーカー)が大規模に行った「人気のある車の色」調査を表にしたもので、白、シルバー、黒は世界でも人気トップ3をほぼ独占しています。
ちなみに、ヨーロッパやアメリカでは、グレーも人気がありますが、アジアではグレーはそれほど人気が高くありません。
データ参照元/Car colour popularity(wikipedia/英語)
このデータが意味するところは、黒、白、シルバーの車は買いたい!と思っている人が多いということを証明するだけでなく、中古車買い取り業者にとって、ブラック、ホワイト、シルバーの車は、他の色よりも”圧倒的に”売りやすいということです。
つまり、白、黒、シルバー以外のカラーに照準をあわせれば、それだけでお買い得な中古車を探せることになるということです。
なお、白、黒カラーは人気がありますが、一方で傷や擦った跡などが目立ちやすく、またシルバーについては、経年劣化による色あせが目につきやすいという特徴がありますので、白、黒、シルバー以外を買うということには、価格面以外でもメリットがあったりします。
6.あえて車検を通していない車を探してみる!
車検は法定費用に加えて、点検費用などが必要になることから車検前の中古車は、買い手から”敬遠”されることが少なくありません。
ということは車検前の中古車はおのずと中古車価格は下がる傾向にありますので、シンプルに車検を通していない中古車というだけで狙う価値があるということが分かります。
一方で「車検の費用がかかるから、あまり得はしないのでは?」という意見もあるかと思います。
しかし、現在は車検をお願いできる先はディーラーや指定工場以外にもフランチャイズ車検やユーザー車検など豊富にありますので、安く済ませようと思えば、いくらでも済ますことができます。
下記の表は車検を依頼できる代表的な会社のまとめになります。
特徴 | |
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ディーラー | トヨタの車検 |
ディーラー | 日産-車検 |
ディーラー | HONDAの車検 |
ディーラー | マツダジャストフィット車検 |
車検業者検索 | 楽天車検 |
車検業者検索 | Goo車検 |
車検業者検索 | カーセンサー |
車検フランチャイズ | ホリデー車検 |
車検フランチャイズ | コバック |
車検フランチャイズ | カーコン車検 |
車検フランチャイズ | アップル車検 |
中古車販売店/買取店 | ガリバーの車検 |
中古車販売店/買取店 | ビッグモーター |
中古車販売店/買取店 | カーセブン車検 |
ガソリンスタンド・カー用品店 | イエローハット車検 |
ガソリンスタンド・カー用品店 | オートバックス車検 |
また「信頼できる車検業者はどうやって探せばいいの?」という意見もあるかと思います。
それに対しては、筆者自身の経験からも車検業者検索の「カーセンサー」で探すか、あるいは、格安車検で有名な「ホリデー車検」に依頼するという2つでほとんどの場合、十分だと思います。
7.自動車税と自動車重量税をチェックして維持費をダウン!
中古車をお得に手に入れるとなると、「買値」ばかりに目がいきがちですが、ランニングコストの大きな負担を占める”税金”のチェックも見逃せません。
例えば、毎年4月1日の保有者に対して課税される自動車税は排気量によって、その税額が決められていまして、中古車をお得に手に入れるということであれば、少しでも排気量の小さな車を選んだ方がお得です。
自動車税(普通) | 乗用車(エコカー減税適用前/年間) |
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総排気量1リットル以下 | 29,500円 |
総排気量1リットル超1.5リットル以下 | 34,500円 |
総排気量1.5リットル超2リットル以下 | 39,500円 |
総排気量2リットル超2.5リットル以下 | 45,000円 |
総排気量2.5リットル超3リットル以下 | 51,000円 |
総排気量3リットル超3.5リットル以下 | 58,000円 |
総排気量3.5リットル超4リットル以下 | 66,500円 |
総排気量4リットル超4.5リットル以下 | 76,500円 |
総排気量4.5リットル超6リットル以下 | 88,000円 |
総排気量6リットル超 | 111,000円 |
軽自動車の自動車税 | 右以外 | 13年経過 |
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軽自動車 [四輪以上](自家用乗用) | 10,800円 | 12,900円 |
また、中古車であれば2年ごとに訪れる車検の法定費用として課税される自動車重量税は、車両重量に対して課税されますので、こちらもできるだけ”軽い”自動車を選ぶ方がお得です。
車両重量 | 自動車重量税 (2年自家用、継続検査等時) | 13年経過車 |
---|---|---|
0.5t以下 | 8,200円 | 11,400円 |
~1t | 16,400円 | 22,800円 |
~1.5t | 24,600円 | 34,200円 |
~2t | 32,800円 | 45,600円 |
~2.5t | 41,000円 | 57,000円 |
~3t | 49,200円 | 68,400円 |
軽自動車の自動車重量税 | 右以外 | 13年経過 |
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2年自家用 | 6,600円 | 8,200円 |
なお、軽自動車も普通乗用車もハイブリッドカーやクリーンディーゼル車のような”エコカー”として認定されていますと、上記から減税や免税を受けることができますので、そういったエコカーを選ぶのも中古車をお買い得に買うためのポイントの一つになります。
8.リセールバリューを意識して中古車を探す!
トヨタのランドクルーザーなど中古車の方が”高く”売れることもあるという、驚愕のニュースが話題となったこともあり、近年では一般の人にも広く認識されようになってきた感のあるリセールバリュー(再販価値)
下記はそのタフさが世界的に高く評価されているトヨタのランドクルーザー。
写真出所/トヨタ
例えば、そんなランドクルーザーは中古車でもかなり高い値段で取引されていますので、いざ買うとなると確かに高く感じますが、一方で、売るときも高い価格で取引されるということから、トータルで考えると、実はお得に手に入れることができたりします。
つまり、リセールバリューのある中古車は、買ってから売るまでの金額で計算すると、結果的にお得ということに他なりません。
マツダのディーゼル車やトヨタのハイブリッドカーなどはリセールバリューが高いことが知られていますので、そういったクルマを探してみるというのも、賢く中古車を手に入れる方法の一つになります。
まとめとおまけ
「車種・年式・税金など中古車を安く買うコツ8つと注意点~中古車を絶対お得に手に入れるゾ!~」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
最後に、もう一つだけお得に中古車を買うための、”とっておきの方法”をお伝えして、締めたいと思います。
それは、今持っている車を少しでも高く売ることです。
「でも、ディーラーに下取りをお願いしても価格は期待できそうもないクルマなんだけど・・・」
そんな風にあきらめる方も少なくありませんが、実は中古車の買取価格は車種、走行距離、年数、地域、景気、車の状態など様々なポイントで決まりまして、買取先により大きな価格差が出ることも珍しくないのです。
つまり、仮に古いクルマでも複数の業者に査定してもらうと、思ってもみない価格差が出たりするのです。
上記のイメージは一例に過ぎませんが、車種によってはもっと大きな金額差が出ることも珍しくありません。
「でも、どうやって複数の買取業者に依頼すればいいの?」
確かに自分で車を運転して、複数の業者に買取査定をお願いするのって大変ですよね・・。(交渉とかも面倒くさいですよね・・)
そこで便利なのが、東証一部上場企業でセキュリティ対策にも実績があるナビクル車査定やTVCMでもお馴染みのカーセンサーといった自動車買取の一括査定サービスです。
複数の買取業者に一括で査定依頼を出すことができますので、中古車をお得に売りたいというときには重宝するサービスになっています。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!
本記事が読者の方の少しでもお役に立てれば、幸いです。