中古車と一口に言いましても、その意味するところは非常に幅が広く、例え同じメーカー、同じ車種、同じ色だとしても、中身が全然違うということは決して珍しくありません。
そして、肝心の中古車の査定については、実は自動車業界でも査定員としての資格を保有している人はそれほど数が多いとは言えず、その査定の中身についても消費者に開示する義務があるわけではありませんので、中古車を選ぶ側からすると、どうしても不安や不透明感を拭いきれないというのが現状です。
そうした状況を踏まえまして、買い手である私たちがどのように中古車を選んでいけばいいのか、そして選ぶ際の注意点などについて、説明していきたいと思います。
初心者が中古車を選ぶ5大ポイント
これから中古車の購入を考えているという初心者の方が、まずは押さえておきたいポイントとして、以下の3つがあります。
1.品質について・・・中古車そのものの品質
2.費用について・・・税金や手数料、そしてローンについてくる金利
3.アフターケアについて・・・何かトラブルがあったときにちゃんとケアしてもらえるかどうか
4.自分自身の希望について・・・自分が譲れないポイントを意識しよう
5.賢い買い方について・・・後で後悔しないための賢い買い方を知ろう
いずれのポイントも初心者でも中古車を選ぶ際に、ここを見れば大丈夫!といった感じで、簡潔に、できるだけ具体的に説明していきたいと思います。
詳細が必要になりそうな場合は、当サイト内のリンク先にてさらい詳しく説明させていただきます。
1.中古車の品質について
冒頭でも軽く説明しましたが、現在の日本の中古車市場では、主にオート・オークションと呼ばれる、業者間で中古車などの取引を行うための市場があります。
そこでは、ある業者がユーザーさんから買い取った中古車をオート・オークションに卸して(売って)、そのときに査定員が、基準に基づいて、その車を査定して、どういう状態の車であるかということを明確にしています。(基準を見れば、中古車として安心して乗れるのか、事故車なので注意が必要などがわかります。)
そして、その査定表をもとに、別の中古車ディーラーが展示されている中から、中古車を仕入れて、消費者に販売するという流れが一般的な流れとなっています。
この査定そのものは、かなり厳しい査定が行われておりますので、かなり信頼性が高いとされていまして、この査定表の評価点を見るだけでも、中古車の品質がある程度、分かります。(もちろん、それでも査定員の主観は入る可能性はあります)
この査定の中身については、販売する中古車ディーラーはお客さんに開示することを義務付けられていませんので、こちらから要求しない限りは見ることはありません。
もしかすると、会社の方針としてお客様へのサービスとして、積極的に査定表を開示している会社があるかもしれませんが、それほど多くはないと思います。
それどころか、むしろ、中古車ディーラーからしてみれば、仕入れに関する秘密を公開することにもなりかねないので、査定表の開示を要求しても、開示を拒否する業者もあるほどです。
では、どういったポイントを見ればいいのでしょうか?
中古車の品質を見極めるには、
〇構造・・車の耐久性や直進性能、その他、安全に運転するには欠かせない部分
〇外観と内観・・車の外部のデザインや見た目の内部の摩耗など
中古車の構造部分については、初心者がどういう状態であるかを見抜くのは簡単ではありませんので、基本的に構造部については、販売店の情報をを信用するしかないというところですが、ただ、実際に自分で試乗を行って違和感がないかを確かめるということが重要になります。
外観と内観についての品質チェックについてカギとなるのは、「隙間」です。
例えば、ボンネットとフェンダーのスキマが広がっていないか、ヘッドライトとバンパーの隙間が歪んでいないか、テールライトとトランクのスキマに異常は見られないか、ドアとドアやドアとリアフェンダーの隙間は均等になっているかなどをチェックすることで、その中古車の品質がどの程度であるかを初心者でも判断できるかと思います。
2.費用について
中古車を購入するときには、実に様々な費用がかかります。
どんな費用が必要になるのか、ざっと見ていきたいと思います。
〇車体価格・・自動車そのものにかかる費用ですね。
〇付属品・・オプションでカーナビなどをつける際に必要な費用になります。本当に必要なものかどうか、最近はスマホで代用できるようになったオプションも多いので、必要以上にはつけなくてもいいかもしれません。
〇自動車税または軽自動車税・・自動車税は排気量や用途により決められていまして、月割りで請求が一般的です。エコカーなどは税金の負担が軽くなるなどの措置が取られています。なお、軽自動車は3月に支払う形で、年間での納税となり、月割りがありません。
〇自動車取得税・・中古車であれば、新車の取得価格をもとに年式によって税金が算出されます。場合によっては、免除される場合もあります。ちなみに、普通車は5%、軽自動車は3%の自動車取得税が新車の取得時に必要になります。
〇自動車重量税・・車検を受けるときに必要になる税金です。こちらも、重量やエコカー、軽自動車などの車種により費用が異なってきます。中古車の場合、車検を済ませてある場合は、次回の車検の時まで必要ありません。
〇車検代・・車検費用は大きく分類して法定費用とメンテナンス代=整備代が必要となりますが、法定費用には自動車重量税の他に、印紙代、自賠責保険の費用が必要になります。整備代金は、部品交換などが発生しなければ、3万円程度が相場です。
〇消費税・・車両本体やオプションなどにかかる税金になります。
〇車庫証明・・管轄の警察署に提出するために必要な申請費用になります。普通車であれば、約3,000円程度、軽自動車であれば、500円の費用が必要になります。自分で行えば、無料ですが、ディーラーなどに代行してもらうときは、代行手数料で約10,000~20,000円程度の費用が発生します。
〇ナンバー登録、印紙税・・普通車であれば、陸運局の支局に登録することが義務付けられています。ナンバー登録費用と印紙代などで3,000~5,000円といった費用がかかります。こちらも、車庫証明と同様、本人が行えば、無料ですが、代行をお願いすると約10,000~20,000円程度の費用が発生します。
〇納車費用・・納車をしてもらうときの手数料になります。地域や業者によって開きがありますが、5,000~20,000円といったところが相場です。
〇任意保険・・自賠責保険とは別に加入する場合の自動車保険。対物、対人など加入しておくと安心ですよね。
〇自動車ローンの手数料・・毎月支払う手数料ですね。自動車ローンの金利手数料は意外に変動幅が大きく、支払総額が変わってきますので、注意したいところです。
3.アフターケアについて
中古車を購入する際にチェックしておきたいポイントの一つにアフターケアがあります。
例えば、ちょっとした自動車のトラブルや、例えば、名義変更など自動車は購入したら終わりではなく、その後も何かと付き合いが続くということが多いものです。
そんなときに親身になってくれる中古車ディーラーは信頼に値しますが、売った後は知らないとばかりに、アフターケアを進んでしようとしない販売店があります。
それどころか、ちょっとしたことで、法外な値段を請求してくる販売店もあったりします。
そうした中古車ディーラーから自動車を購入すると、あとで、とても嫌な気持ちになりますので、初心者の方は、その販売店の接客態度、ほかのお客さんとのやりとりを注意深く観察する必要があります。
何か違和感を感じた時は、客観的になり、違うお店を探すという冷静な判断を下しましょう。
4.自分自身の希望について
服選びや自分の髪型同様、中古車選びも自分の好き嫌いはハッキリさせておいた方がいいでしょう。
営業トークに長けた販売店の店員さんに進められるがままに中古車を購入して、後で後悔なんていうのは避けたいですよね。
とは言え、自分自身の希望を考えるにあたって、どんなことを考えたらいいのかって悩みますよね?
そこで、参考の一つとして、車種別のメリット・デメリット表を作ってみましたので、参考にしてもらえればと思います。
車 種 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ミニバン | 3列シートで、乗車定員も5名以上という収容能力の高さが魅力。シートは畳んだり、フラットにしたり、レジャーなどでも大活躍できるのがメリット。 | ルーフが高く、重心が上がるので、操縦性はあまり安定していない点はデメリット。また、メーカーによる違いはほとんどない。 |
軽自動車 | 燃費もいい上に、税金なども安く、コストパフォーマンスは抜群 | 排気量が少なく、重量が軽いため自動車としてのパワーは普通車に比べると劣る |
小型乗用車(コンパクトカー) | 車のサイズ、プライス、操縦性の高さと低燃費などのスマートさが魅力 | あまり人気がない・・軽自動車との比較で価格も値崩れやすい傾向に |
ハイブリットカー | 燃費の良さ、環境への配慮、最新のテクノロジーなど社会的なメリット大 | 運転性能については、他の車に比べるとやや劣る車種も・・ |
セダン | 安定性、居住性、落ち着いた雰囲気など | デザインとしての遊び心や軽さは感じられない |
SUV | アウトドアで威力を発揮する他、重厚感のあるデザインは魅力 | 燃費はあまりよくない。また狭い場所での操作性は悪い |
ワゴン | 室内スペースが広く、居住性と荷物の積載性が高い | 人気がないところが最大の欠点 |
スポーツカー | デザインや走りを重視した遊び心が満載な点が何と言っても魅力 | 価格が高鋳物が多く、居住性は低い |
5.賢い買い方について
初心者が中古車を賢く買うには、これまで1~4まで説明したことを注意深く実践できれば、ほぼ間違いないかと思います。
さらに補足するとすると、やはり中古車の数を多く見て、同じ車種、同じ色でも比較しながら、検討することをおすすめします。
かつてマネーの虎に出演していた南原さんは、中古車を仕入れるときに、「車を舐めるように・・」と著書の中で語っていますが、その舐めるというのは舐めるように見るのではなく、本当にシートなどを自分の舌で舐めるそうです・・。
さすがにそこまではする必要がないと思いますが(笑)、自分の目と耳と、体で中古車を選ぶということも、最も賢明な選び方の一つだと思います。