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5年落ち中古車の価格はかなり安いっ!値段が安くなる理由と注意点のまとめ

「5年落ちの輸入車が安いと聞いたので、購入を検討中。でも、なぜそんなに値段が安くなるの?

5年落ちのトヨタの中古車がかなり安いので逆にビックリ!何か、注意点とかある?

今、5年落ちの中古車を購入しようと考えている人の中には、こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、今回は自動車業界の片隅で働く筆者が「5年落ち中古車の価格はかなり安いっ!値段が安くなる理由と注意点のまとめ」と題して、5年落ちの中古車の値段が安い理由やメリットとデメリット、注意点などについて、説明していきたいと思います。

早速、見ていきましょう。

5年落ちの中古車の価格が安い理由その1/モデルチェンジが近い!

以前はフルモデルチェンジするまでに10年以上ということもありましたが、近年は技術革新や競争の激化なども相まって、各メーカーの主力車種はフルモデルチェンジするのに約4~7年の間隔で行われることがほとんどという状況になっています。

参考までにトヨタ、ホンダ、アウディの主力車種のフルモデルチェンジまでの期間を下記の通り、表にまとめてみました。

トヨタ・クラウンホンダ・ステップワゴンアウディ・A4
4年(2008年 - 2012年)6年(2009年 - 2015年)7年(2008-2015年)
5年(2003年 - 2008年)4年(2005年 - 2009年)3年(2005-2008年)
8年(1999年 - 2007年)4年(2001年 - 2005年)4年(2001-2005年)
6年(1995年 - 2001年)5年(1996年 - 2001年)7年(1994-2001年)
4年(1991年 - 1995年)

国内メーカーに比べると、ベンツやBMW、フォルクスワーゲンなど人気の輸入車の方がややフルモデルチェンジまでの期間が長めですが、それでも7~8年以上というケースは近年は少なくなり、むしろ短いときは3年前後ということもあったりします。

そうしたフルモデルチェンジの短期化が中古車の価格にも大きな影響を与えていることを背景に、5年落ち中古車は、最も下落の影響を受けやすい”タイミング”の一つとなっています。

5年落ちの中古車の価格が安い理由その2/車検が迫る!

ご存知の通り、車検は新車登録から3年後に行ってからは、その次以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。

つまり、3年後+2年後=5年後は新車オーナーが車の買い替えタイミングとしては、絶好の節目となっておりまして、新車登録から2回目の車検を前に買い替えというケースが5年落ち中古車の下落を招く原因の一つとなっています。

特にベンツ、アウディ、フォルクスワーゲンなどの人気の外車は、一般的な国産車に比べると車検費用が割高なことが多く、5年目以降の車検費用を支払うぐらいなら、車を売って乗り換えようという気持ちを外車オーナーに働かせることが少なくありません。

そんな事情も手伝って、5年落ちの中古車の価格はグッとお手頃になることがあります。

5年落ちの中古車の価格が安い理由その3/人気薄の中古車がたっぷり!

どんなメーカーもすべての車種、すべてのカラーで人気車を作るのは不可能で、ディーラーの必死の努力でお客様に買ってもらっても、人気のない中古車はやはりお客様の方が”飽きて”しまい、ぞろぞろと中古市場にクルマがあふれてきます。

3年で消えてしまうという恋愛感情のように、クルマの場合も、3年~5年というのは一つの節目で、5年落ちの中古車で人気薄の車は、価格が急に下落するということが少なくありません。

そして、買い手が少ない割に、売りたいクルマが市場にあふれてしまうと価格が下がってしまうのは避けようがありません。

売りたい人が多い売りたい人が少ない
買いたい人が多い〇(価格/普通)◎(価格/高い)
買いたい人が少ない×(価格/安い)△(価格/やや安い)

とは言いましても、人の好みはそれぞれですので、もし、世間で不人気と言われているクルマでも、自分が好きな車種やカラーであれば、これほどオイシイ話はありませんので、5年落ちの中古車は絶好のチャンスと言えるかと思います。

では、続いては価格以外で5年落ちの中古車のメリットやデメリットについてみていきたいと思います。

メリットその1/きれいな車を見つけやすい

3年落ちの中古車のタイプ状態の良さ
外車〇~△
軽自動車〇~◎
国産車〇~◎

5年落ちの中古車が人気を集める代表的な理由と言えば、”クルマのきれいさ”です。

海外に比べると、日本人は非常に丁寧に車を扱うため、5年落ちでも、シートがピカピカ、ハンドルもキレイ、ドアやパワステ、サスペンション(乗り心地)なども新車さながらといったクルマがあったりします。

また、アクセルやブレーキ、ATなどの効きが良く、快適さも申し分ない中古車を見つけることができたりするのは、5年落ち前後の中古車ならではと言えるでしょう。

ただ、外車オーナーの中には、はじめから5年で買い換えるつもりで、乱暴な運転をしていたり、クセの強い乗り方をする人がいたりすることもありますので、その点は注意しておく必要があります。

メリットその2/メンテナンスの費用が安い

 

3年落ちの中古車のタイプメンテンナンス費用の安さ
外車〇~△
軽自動車〇~◎
国産車〇~◎

中古車を購入するときには幾つか気になるポイントがあるかと思いますが、メンテンナンスにかかるコストも重要なポイントの一つではないでしょうか。

その点、5年落ちの中古車はよほど無茶な距離を走ったり、あるいは長期間、放置していなければ、メンテンナンス費用である、車検費用や点検費用は多くの場合かなり安くすみます。

特に国産車や軽自動車の場合、バッテリーやブッシュなどの消耗品を交換したとしても、5年目以降に迎える2回目の車検費用が高くつくということは、ほぼないでしょう。

ただ、輸入車に関しては、そもそも元々の車検費用が高いことが多いため、ある程度のコストは覚悟しておく必要があると言えます。

筆者自身、中古の輸入車を車検に出すと、”純正品”の高さに驚くことが少なくありません・・・今の車は高度に電子化されソフトウェアで制御されていることが多く、昔のように価格の安いサードパーティで安く済ませるというのが難しくなっているのは、イタイところです・・。

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注意点その1/価格が安くない車種も

 

先ほど、外車や一部の国産車や軽自動車はかなり安く購入できるチャンスがあるという説明をしましたが、一方で、トヨタのランドクルーザープラド、マツダのディーゼル車、スズキの人気軽自動車、三菱のSUVなどの5年落ち中古車は、新車価格とほとんど変わらない・・ということが少なくありません。

というのもそういった車種は仮に5年落ちでも買い手が国内だけでなく、海外にも大勢いたりするからです。

ただ、そうした車種はリセールバリューがあるとも言えまして、例えば、5年落ちの中古車を購入して、数年後に売却するときにも、それなりの価値があったりしますので、長い目で考えると、それほど損ではないという見方もできます。(特に海外では国産のSUVは古くても人気が高いことがある)

注意点その2/走行距離が極端に長い場合や放置されている場合も

先ほどは5年落ちの中古車でかなり走行距離が長かったり、長く放置されているクルマは気をつけなくてはいけないと説明しましたが、パーツによっては、思いのほか、劣化が進んでいることがあったりします。

短期間の間に自動車を酷使すると、どうしても車にも負担がかかり、乗り心地が悪化したり、燃費性能が低下したりといった劣化に繋がりやすくなります。

例えば、どんなケースが考えられるか見ていきましょう。

〇乗り心地のカギを握るサスペンションの劣化

高級輸入車などは、サスペンションにこだわっていることが多く、乗り心地が非常になめらかである一方、それだけ“繊細”な作りとなっているために”ガタ”がきやすいケースがあります。(運転の仕方、走行環境などによっても変わってきます。)

サスペンションの劣化で挙げられる典型的なケースと言えば、ブッシュ(ゴム)の劣化や損傷、亀裂などになるかと思います。

症状考えられる原因
異音「ギシギシ」「キシキシ」ショックアブソーバのオイル漏れ
ブッシュ(ゴム)の劣化や硬化
コイルスプリングのねじれによる金属音
ボディのゆがみ
異音「カタカタ」「コトコト」ショックアブソーバの劣化
ロアアームのジョイントやボルトの摩耗
スタビライザーリンクの故障
サスペンションアームのゆがみ
ブッシュ(ゴム)の劣化や亀裂
異音「ギコギコ」「キコキコ」ブッシュ(ゴム)の劣化や亀裂
ショックアブソーバの劣化
ロアアームのジョイントやボルトの摩耗
リンクロッドのゴムに亀裂
スタビライザの損傷

ご存知の通り、タイヤがそうであるように、ゴムは何もしなくても経年劣化が進むパーツで、サスペンション内にあるブッシュは、車が走ったり、停まったり、曲がったりする度に摩耗し、そして、劣化や硬化が進んでいきますので、劣化を起こす最も代表的な原因の一つになります。

また、そのブッシュの摩耗と前後して、よく起こるのがショックアブソーバの劣化や損傷です。

こちらも経年劣化が進むと、異音が出る原因となったり、“減衰力”が弱くなり、車の安定性が悪くなり、振動を感じたりといったことが起こります。

※減衰力とは、路面からの力を吸収し、制御する力のこと。これが弱くなると、振動を感じやすくなり、ひどい場合はクルマ酔いを引き起こす原因にもなる。

〇長期間の放置によるクルマの劣化

 

また、5年落ちの中古車で注意する必要があるのが、長期間、放置しておいたことが原因で発生する「バッテリー上がり」です。

具体的には、バッテリー上がりを起こす要因として下記のような車の使い方が挙げられまして、一度バッテリー上がりをしてしまうと、バッテリー上がりを再発しやすくなるケースが少なくありません。

バッテリー上がりを起こす車の使い方
普段から渋滞での走行が多い
普段あまり車を使用しない
1度に走行する距離が少ない
夜間の走行がほとんど
雨の日や雪の日しか車を使用しない
後付けのオーディオ機器など消費電力の大きな電装品を使用している
エアコンの使い方が極端
急ブレーキや急なアクセルの踏み込みが多い
後付けしたバッテリーの容量が小さい

5年落ちの中古車を買うときは、状態面を注意深くチェックすることをおすすめします。

注意点その3/車検費用が”かさむ”ことも

5年落ちの中古車の車検費用は”お手頃”なことが多いことがほとんどですが、とは言え、走行距離が長かったり、放置期間が長いクルマにかかる車検費用は決して安くありません。

下記は車検の法定費用ですが、中型車や大型車になりますと6~7万円は必要になりますし、それにバッテリー代はパーツの交換費用を車検のときに加えますと、10~20万円はかかるということも少なくありません。

車 種自賠責保険重量税※印紙代法定費用合計
軽自動車25,880円8,200円1,400円35,480円
小型乗用車(500~1,000kg)44,100円16,400円1,700円62,200円
中型乗用車(~1.500kg)44,100円24,600円1,700円(5ナンバー)
1,800円(3ナンバー)
70,400円(5ナンバー)
70,500円(3ナンバー)
中型乗用車(~2.000kg)44,100円32,800円1,700円(5ナンバー)
1,800円(3ナンバー)
78,600円(5ナンバー)
78,700円(3ナンバー)
大型乗用車(~2.500kg)53,890円41,000円1,800円96,690円

特に輸入車の場合は、元々の車検費用が高いので、5年落ちの中古車とは言え、状態面はしっかりとチェックしておきたいところです。

注意点その4/修復歴のある車や事故車など

車の種類による注意点も見ておきたいと思います。

いくら走行距離が短いからと言っても、故障車、修復歴車(事故車)、水没車、大規模なリコール対象車などのトラブルがあった車は避けた方がいいでしょう。

繰り返しになってしまいますが、輸入車は修理コストそのものがもともと高い上に、純正品はコストが高く、修理に驚くような費用がかかることがあるからです。

まとめ

「5年落ち中古車の価格はかなり安いっ!値段が安くなる理由と注意点のまとめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

筆者自身の経験も交えることで、よりリアリティーを感じていただけたのではと思います。

5年落ちの中古車には価格が安いというメリットの他、様々なメリットがありますが、一方で注意しておきたい点もあるということをご理解いただけたのではと思います。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。