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外車or国産車?それとも軽自動車?3年落ちの中古車を買うときのメリットと注意点のまとめ

3年落ちの外車が思ったより安いんだけど、注意点とかある?

「3年落ちの軽自動車を買うメリットって?

今、3年落ちの中古車を購入しようと考えている人の中には、こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、今回は自動車業界の片隅で働く筆者が「外車or国産車?それとも軽自動車?3年落ちの中古車を買うときのメリットと注意点のまとめ」と題して、3年落ちの中古車のメリットとデメリット、注意点などについて、自らの経験も交えながら、説明していきたいと思います。

早速、見ていきましょう。

メリットその1/新しいモデルを格安価格で買うことができる場合も

3年落ちの中古車のタイプお買い得度
外車◎~〇
軽自動車△~×
国産車△~×

3年落ちの中古車の最大のメリットの一つとして、現行モデルやひとつ前の旧型モデルなどを格安価格で手に入れることができるという点が挙げられます。

特にベンツ、アウディ、フォルクスワーゲンなどの人気の外車は、新車オーナーが新車登録から3年後に訪れる車検のタイミングで車を買い替えるというケースが珍しくなく、車種によっては3年落ち前後でガクンと価格が下がることがあったりします。

と言いますのも、ご存知の通り、外車の車検は一般的に国産車に比べると割高なことが多く、4年目以降の車検費用を支払うぐらいなら、車を売って乗り換えようという気持ちが働くことが少なくないからです。

そんな事情も手伝って、人気の外車であっても、買い手が多くいる3年落ちの中古車の価格はグッとお手頃になることがあります。(後ほど触れますが、逆に車検費用の負担は注意点になります。)

売りたい人が多い売りたい人が少ない
買いたい人が多い〇(価格/普通)◎(価格/高い)
買いたい人が少ない×(価格/安い)△(価格/やや安い)

一方、国産車や軽自動車に関しては、輸入車に比べると車検費用がそれほど高くないことや、耐久性が優れている車が多いことから、それほど大きく値下がりすることはありません。

ただ、国産車でも燃費が良くないミニバン、大型ワゴン、大型セダン、不人気SUVなどは3年落ちであっても、そもそも買い手そのものが少ないことから、急激に価格が落ちたりすることがありますので、そういった車種を敢えて狙うと、新しいモデルの車をお得な価格で手に入れることができたりします。

メリットその2/きれいな車を見つけやすい

3年落ちの中古車のタイプ状態の良さ
外車〇~△
軽自動車〇~◎
国産車〇~◎

3年落ちの中古車が人気を集める代表的な理由と言えば、”クルマのきれいさ”です。

海外に比べると、日本人は非常に丁寧に車を扱うため、3年落ちでも、シートがピカピカ、ハンドルもキレイ、ドアやパワステ、サスペンション(乗り心地)なども新車さながらといったクルマがあったりします。

また、アクセルやブレーキ、ATなどの効きが良く、快適さも申し分ない中古車を見つけることができたりするのは、3年落ち前後の中古車ならではと言えるでしょう。

ただ、外車オーナーの中には、はじめから3年で買い換えるつもりで、荒い運転をしていたり、癖の強い乗り方をする人がいたりすることもありますので、その点は注意しておく必要があります。

メリットその3/メンテナンスの費用が安い

 

3年落ちの中古車のタイプメンテンナンス費用の安さ
外車〇~△
軽自動車〇~◎
国産車〇~◎

中古車を購入するときには幾つか気になるポイントがあるかと思いますが、メンテンナンスにかかるコストも重要なポイントの一つではないでしょうか。

その点、3年落ちの中古車はよほど無茶な距離を走ったり、あるいは長期間、放置していなければ、メンテンナンス費用である、車検費用や点検費用は多くの場合かなり安くすみます。

特に国産車や軽自動車の場合、バッテリーやブッシュなどの消耗品を交換したとしても、4年目以降に迎える2回目の車検費用が高くつくということは、ほぼないでしょう。

ただ、輸入車に関しては、そもそも元々の車検費用が高いことが多いため、ある程度のコストは覚悟しておく必要があると言えます。

筆者自身、3年落ちの輸入車を車検に出すと、”純正品”の高さに驚くことが少なくありません・・・今の車は高度に電子化されソフトウェアで制御されていることが多く、昔のように価格の安いサードパーティで安く済ませるというのが難しくなっているのは、イタイところです・・。

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注意点その1/価格が安くない車種も

 

先ほど、外車や一部の国産車や軽自動車はかなり安く購入できるチャンスがあるという説明をしましたが、一方で、トヨタのランドクルーザープラド、マツダのディーゼル車、スズキの人気軽自動車、三菱のSUVなどの3年落ち中古車は、新車価格とほとんど変わらない・・ということが少なくありません。

つまり、価格が安い中古車がある一方で、新車を買うのとほとんど変わらないことがあるのが、3年落ち中古車の特徴になります。

ただ、そうした車種はリセールバリューがあるとも言えまして、例えば、5年後に売却するときにも、それなりの価値があったりしますので、長い目で考えると、それほど損ではないという見方もできます。(海外では国産のSUVは古くても人気が高いことがある)

注意点その2/走行距離が極端に長い場合や放置されている場合も

先ほどは3年落ちの中古車でかなり走行距離が長かったり、長く放置されているクルマは気をつけなくてはいけないと説明しましたが、パーツによっては、思いのほか、劣化が進んでいることがあったりします。

短期間の間に自動車を酷使すると、どうしても車にも負担がかかり、乗り心地が悪化したり、燃費性能が低下したりといった劣化に繋がりやすくなります。

例えば、どんなケースが考えられるか見ていきましょう。

〇ショックアブソーバーの劣化やトラブル

画像参照/THKリズム株式会社

ショックアブソーバーは、文字通りshock(ショック)をabsorber(緩和)するためのパーツで、クルマの乗り心地のカギを握っていると言えるほど、極めて重要な存在です。

そして、「なんか車の乗り心地が悪い・・・」という場合、このショックアブソーバーが劣化している、あるいはトラブルを抱えているというのが最もよく見られるケースの一つになっています。

実際には、ショックアブソーバーが劣化すると「オイル漏れ」や関連パーツである「コイルスプリング」の摩耗、「スタビライザ」や、それを支える「アッパーアーム」「ロアアーム」などにもトラブルを引き起こし、減衰力(※)が落ちたりすることで、ハンドル操作が不自由になったり、車両がふらついたりといったことが起きます。

※減衰力とは、コーナーを曲がるときなど、運動方向とは反対向きに働く力のこと。減衰力が大きいと、ばねの働きを抑えてゴツゴツした乗り心地に、逆に減衰力が小さいとフワフワした感じに。

なお、乗り心地の悪化とともに、下記のような異音が出ている場合、ショックアブソーバーの劣化やオイル漏れが原因となっている可能性がさらに高くなります。

症状考えられる原因
異音「ギシギシ」「キシキシ」ショックアブソーバのオイル漏れ
ブッシュ(ゴム)の劣化や硬化
コイルスプリングのねじれによる金属音
ボディのゆがみ
異音「カタカタ」「コトコト」ショックアブソーバの劣化
ロアアームのジョイントやボルトの摩耗
スタビライザーリンクの故障
サスペンションアームのゆがみ
ブッシュ(ゴム)の劣化や亀裂
異音「ギコギコ」「キコキコ」ブッシュ(ゴム)の劣化や亀裂
ショックアブソーバの劣化
ロアアームのジョイントやボルトの摩耗
リンクロッドのゴムに亀裂
スタビライザの損傷

〇アッパーマウントの劣化・オイル漏れ

路面から受ける衝撃の吸収だけでなく、走行安定性や車体の柔軟性を維持し、車の乗り心地を支える役割を果たしている「アッパーマウント」

画像出所/CUSCO

アッパーマウントは他のブッシュ同様、ゴムやウレタンなどでできている部分が多い”消耗品”タイプのパーツで、新車登録から約10年、走行距離10万キロ前後が一つの交換の目安となっていますが、ドライバーの運転の仕方や走行環境によっては、さらに劣化が早くなる可能性があります。

また、一般的な乗用車で最も普及しているサスペンションのタイプである「ストラットタイプ」は部品点数が少なく、コストも低価格ですが、反面、アッパーマウントの劣化が早いといった特徴もあります。

悪路などを走行したときに、以前に比べて、突き上げ感やゴツゴツした感じがあるという場合は、アッパーマウントに原因があるというケースは少なくありません。

〇ブッシュ(ゴム製)の劣化・摩耗

自動車が曲がったり、止まったりするときには、重量力、遠心力など様々な負担がかかりますが、その力を吸収し、衝撃を緩和するために欠かせないのが、ブッシュ(ゴムやウレタン)になります。

画像出所/CUSCO

ブッシュもその性能や価格は様々ですが、”消耗品”であるという点では、アッパーマウントやタイヤなどと同じで、自動車を酷使すると劣化はどうしても避けられません。

また、3年落ちの中古車で注意する必要があるのが、長期間、放置しておいたことが原因で発生する「バッテリー上がり」です。

具体的には、バッテリー上がりを起こす要因として下記のような車の使い方が挙げられまして、一度バッテリー上がりをしてしまうと、バッテリー上がりを再発しやすくなるケースが少なくありません。

バッテリー上がりを起こす車の使い方
普段から渋滞での走行が多い
普段あまり車を使用しない
1度に走行する距離が少ない
夜間の走行がほとんど
雨の日や雪の日しか車を使用しない
後付けのオーディオ機器など消費電力の大きな電装品を使用している
エアコンの使い方が極端
急ブレーキや急なアクセルの踏み込みが多い
後付けしたバッテリーの容量が小さい

3年落ちの中古車を買うときは、状態面を注意深くチェックすることをおすすめします。

注意点その3/車検費用が”かさむ”ことも

3年落ちの中古車の車検費用は”お手頃”なことが多いことがほとんどですが、とは言え、走行距離が長かったり、放置期間が長いクルマにかかる車検費用は決して安くありません。

下記は車検の法定費用ですが、中型車や大型車になりますと6~7万円は必要になりますし、それにバッテリー代はパーツの交換費用を車検のときに加えますと、10~20万円はかかるということも少なくありません。

車 種自賠責保険重量税※印紙代法定費用合計
軽自動車25,880円8,200円1,400円35,480円
小型乗用車(500~1,000kg)44,100円16,400円1,700円62,200円
中型乗用車(~1.500kg)44,100円24,600円1,700円(5ナンバー)
1,800円(3ナンバー)
70,400円(5ナンバー)
70,500円(3ナンバー)
中型乗用車(~2.000kg)44,100円32,800円1,700円(5ナンバー)
1,800円(3ナンバー)
78,600円(5ナンバー)
78,700円(3ナンバー)
大型乗用車(~2.500kg)53,890円41,000円1,800円96,690円

特に輸入車の場合は、元々の車検費用が高いので、3年落ちの中古車とは言え、状態面はしっかりとチェックしておきたいところです。

注意点その4/修復歴のある車や事故車など

車の種類による注意点も見ておきたいと思います。

いくら走行距離が短いからと言っても、故障車、修復歴車(事故車)、水没車、大規模なリコール対象車などのトラブルがあった車は避けた方がいいでしょう。

繰り返しになってしまいますが、輸入車は修理コストそのものがもともと高い上に、純正品はコストが高く、修理に驚くような費用がかかることがあるからです。

まとめ

「外車or国産車?それとも軽自動車?3年落ちの中古車を買うときのメリットと注意点のまとめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

筆者自身の経験も交えることで、よりリアリティーを感じていただけたのではと思います。

3年落ちの中古車には様々なメリットがありますが、一方で注意しておきたい点もあるということをご理解いただけたのではと思います。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。