「10万キロが節目って聞くけど、10万キロ超えの中古車を買うって、どんなメリットあるの?」
「15万キロを超えてる中古車の購入を検討中。注意した方がいいポイントは?」
今、走行距離が10万キロ~20万キロを超える中古車を購入しようと考えている人の中には、こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は自動車業界の片隅で働く筆者が「10万キロ~20万キロ走行した中古車を購入するメリットと注意点のまとめ」と題して、走行距離が長めの中古車のメリットとデメリットについて、自らの経験も交えながら、説明していきたいと思います。
早速、見ていきましょう。
メリットその1/走行距離が長い中古車でも再販価値があるケースも
ご存知の通り、日本車の中でも車種によってはその耐久性の高さが国内外で非常に高く評価されているものがありまして、例えば、トヨタのランドクルーザーやスズキのジムニーなどは、その頑丈さゆえに海外での人気が高いことでも知られています。
実際に、筆者自身も一時期、10万キロ越えの中古のランドクルーザープラドに乗っている時期がありましたが、オンロード、オフロードともに全く問題なく使用できていました。
そして、何よりも驚いたのは、その中古のランドクルーザープラドを数万キロ走行し、いざ売却しようとしたところ、予想外に高く売却できたことでした。
普通の乗用車であれば、15万キロ近くになった車両の買取価格は、どんなに大切に乗っていても”極めて安い”のが相場といったところですが、こと耐久性の高いランドクルーザープラドなどの車種の中古車に限っては、再販価値がそれなりにあるのです。
車種は限られますが、中古車によっては走行距離が長くてもリセールバリューがあるというのは、メリットの一つと言えるかと思います。
メリットその2/格安価格で買うことができる
一般的に、商品の価値は買いたい人と売りたい人の数、つまり需要と供給で決められるのは、ご存知の通りですが、10万キロ~20万キロ超えといった中古車の場合、どうしても売り手が多く、買い手が少ないため、結果、買い手は安く買うことができます。
売りたい人が多い | 売りたい人が少ない | |
---|---|---|
買いたい人が多い | 〇(価格/普通) | ◎(価格/高い) |
買いたい人が少ない | ×(価格/安い) | △(価格/やや安い) |
実際に、「ガリバー」などのサイトで調べていただくとお分かりの通り、10万キロ超えの中古車は、ぐっと価格が安くなっています。
「ガリバー」のサイトでは、ありがたいことに「走行距離が多い順」で並び変えることができますので、車種やメーカーを絞り込んでよく調べてみると、思わぬ掘り出し物が見つかったりします。
なお、10年落ちの10万キロ超えといった条件になると、かなり中古価格は”格安”になりますので、年式なども考慮しながら選ぶのも一つのアイデアです。
メリットその3/買い替えのハードルが低い
実は筆者が考える10万キロ超えの中古車を買うことによる最大のメリットは、買い替えのハードルが低いことにあると筆者は考えています。
実際に、筆者は本当は新車や新古車で狙っている車があるけど、金銭的な事情で買えないときに(^^;)、数年間の”つなぎ”として10万キロ超えの中古車を買うことが少なくありません。
一旦、走行距離の長い格安の中古車を購入して、その後、お金が貯まったり、自分が欲しいと思っていた車の価格が下がってきたときに、サッと乗り換えるという方法です。
お金持ちの人であれば、仮に数百万円クラスの新車を購入していても、他に気に入った車が出たらすぐに買い替えできるかもしれませんが、筆者の場合、そんなに簡単に乗り換えることができませんので・・(T-T:)、こうした方法を使っています。
できるだけ少ない費用で車の買い替えを検討している方にとっては、メリットの一つと言えるかと思います。
注意点その1/メンテンナンスや車検費用について
最近の自動車、特に国産車の耐久性が高いことはテレビや雑誌、ネットのメディアなどを通じて、ご存知の方も多いと思いますが、ただ、10万キロの走行距離を超えてくるようになると、どんなに耐久性に優れた車でも、さすがに”メンテナンス・フリー”というわけにはいきません。
10万キロを超えたあたりから、消耗品などの交換はどうしても必要になってきます。
実際に、筆者が20万キロ目前で車を買い替えるまでに行った主な部品交換の例を、ご覧ください。
走行距離 | 交換が必要になった消耗品・部品 |
---|---|
11万キロ | タイミングベルト |
12万キロ | ラジエータキャップ |
13万キロ | サーモスタット |
14万キロ | ホイールベアリング |
15万キロ | ブレーキディスク |
16万キロ | サスペンション |
17万キロ | ブレーキキャリパー |
18万キロ | トランスミッション |
19万キロ | エアコン(見積もりが高く・・・売却を選択) |
記憶が曖昧な点がありますので、交換した部品と走行距離は前後している可能性がありますが、おおむね、上のような感じで推移していきました。
最後は、エアコンが故障して、その修理費用の見積もりを取ったところ、他の交換部品も合わせて修理費用だけで20万以上の見積もりが出てきまして、車検が近づいてきたこともあり、手放すことにしました。
消耗品や部品の交換については、細かい数字は把握しきれていないのですが、総額で数十万円は掛かっていると思います。
ただ、これは筆者が自動車業界に身を置いており、小まめにメンテナンスを施してきたから、これぐらいで済んでいるという可能性は否定できません。
確かに車種によっては、大したメンテナンスを施さずに20万キロまで車を運転できたというケースもあったりしますが、それは運転する環境、偶然などに恵まれた結果に過ぎません。
逆に、ほとんどメンテナンスをせずに車検もこれまで問題なくパスしてきたものの、走行距離が10万キロを超えたあたりから、”ガタ”がきやすくなり、故障しがちになったというケースは少なくありません。
そして、そんなケースに限って、修理費用は高くなりがちです。
走行距離が10万キロ超えの車は、こまめなメンテナンスが必要であること、状況によっては修理費用や車検費用が高くなりがちというのは注意点の一つとして挙げられます。
注意点その2/燃費の悪化
近年はハイブリッドカーや電気自動車などガソリン登録車以外の選択肢も豊富にありますが、どんな車でも走行距離が長くなればなるほど、燃費性能は低下してくるのは避けられません。
例えば、燃費の悪化で最も起こりやすいトラブルの一つであるエンジン絡みのトラブルとしては下記のようなケースが考えられます。
症状 | |
---|---|
エンジンオイル不足・漏れ | 燃費の急激な悪化・エンジンがかかりづらい・異音・マフラーから白煙 |
オイルポンプの故障 | 燃費の急激な悪化・エンジンがかかりづらい・異音・マフラーから白煙 |
バッテリーの故障 | 燃費の急激な悪化・エンジンがかかりづらい・異音 |
<参考>バルブ類の不良 | これまでよりも多少燃費が悪化・異音 |
<参考>シリンダー類の摩耗 | これまでよりも多少燃費が悪化・異音 |
<参考>スパークプラグ・プラグコードの不具合 | これまでよりも多少燃費が悪化・異音 |
走行距離が長くなるほど、経年劣化による性能低下は起こりやすくなると考えておいた方がいいでしょう。
また、エンジン周辺のパーツ以外にも経年劣化によって燃費の急激な悪化を引き起こす原因となるパーツも存在します。
例えば、エンジンの”熱”をコントロールする役目を果たすことで知られるウォーターポンプが経年劣化が原因で”ガタ”がくると、ある日、突然、燃費が悪くなってしまうということもあります。
また、ウォーターポンプ用のベルトやオルタネーター用・パワステ用などの各種ベルト(総称:ファンベルト)の劣化や、自動車の電力供給として大切な役割を果たすオルタネーターの経年劣化による故障なども急激な燃費性能の悪化の原因となることがあります。
注意点その3/税金の負担増について
10万キロ超えや15万キロ超えの中古車の多くは年式が古い車も多く、税金という意味においては、かなり不利な点が多いため、注意が必要です。
と言いますのも、国土交通省は「自動車のエコ化」を強力に推進しておりまして、環境への影響が大きい中古車への課税を強化しているのです。
下記は国土交通省が毎年、発表している自動車にかかる税制見直しをまとめたレポートからの抜粋ですが、「燃費性能がより優れた自動車の普及を継続的に促す構造を確立する」と明記されています。
自動車重量税に係るエコカー減税の見直しについては、燃費水準が年々向上して いることを踏まえ、燃費性能がより優れた自動車の普及を継続的に促す構造を確立 する<中略> |
---|
参考/平成29年度税制改正の大綱 - 国土交通省 |
実際に、13年目以降にかかってくる税金とエコカーを新車で購入した場合の自動車税と自動車重量税を3年分で比較してみますと、その差は歴然です。
税金 | 13年経過したガソリン登録車 | エコカー(新車購入) |
---|---|---|
自動車税 (総排気量2リットル以下) | 45400円 | 0円(初年度) |
自動車重量税/3年 (~2,000kg以下) | 40000円 | 0円 |
注意点その4/故障車や輸入車など
車の種類による注意点も見ておきたいと思います。
走行距離が長くなった車を購入する際は故障車、修復歴車(事故車)、水没車、大規模なリコール対象車などのトラブルがあった車は避けた方がいいでしょう。
メンテナンスの箇所でも触れましたが、10万キロを超えた頃から、経年劣化はある程度避けられませんので、リスクの高いそうした過去を持つ中古車は避けた方が無難です。
また、メンテンナンスという点では走行距離が長くなった輸入車も不安が残ります。
と言いますのも、輸入車は修理コストそのものがもともと高い上に、年数が経過して、純正部品の調達が難しくなると、修理に驚くような費用がかかることがあるからです。
実際に、サードパーティ製のバッテリー交換と幾つかの消耗品を交換するだけで、10万円近くかかるなんてことは決して珍しくありません。
まとめ
「10万キロ~20万キロ走行した中古車を購入するメリットと注意点のまとめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
筆者自身の経験も交えることで、よりリアリティーを感じていただけたのではと思います。
10万キロ~20万キロ走行した中古車は購入費用という意味では、圧倒的に安いというメリットがありますが、一方で注意しておきたい点もあるということをご理解いただけたのではと思います。
もしも、車が予想外に高く売れたら・・・?
つい先日、筆者が一括査定で複数の買取会社に査定依頼してみたところ、一番高い会社と一番低い会社の価格差が、全く予想外の19万6千円にもなりました。
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