スマホを買い替えたり、引っ越しして家賃が高くなったり、あるいは、結婚や出産などで生活環境が変化したりして、毎月の支払いが色々と重なってきたりすると気になるのが「車の維持費」ではないでしょうか。
また、何となく普通車に乗っていたけど、維持費がもったいないと思い、もっと維持費が安い車へ買い替えを検討しているという人もいるかもしれません。
そこで、今回は維持費が安い車に買い替える前にチェックしておきたいポイントについて、見ていきたいと思います。
早速、見ていきましょう!
1.今の車の維持費の内訳を把握する
そもそも車には、どんな維持費がかかっているのということを考えてみますと、税金、保険、ガソリンや電気、消耗品、駐車場代、車検など実に様々な費用がかかっています。
所有している車の種類や年数、住んでいるエリア、運転歴などによって、かかってくる費用はかなり異なってきますが、まずは今乗っている車にかかっている維持費を洗い出してみましょう。
参考までに編集部スタッフ2人のケースを例に、維持費の内訳の違いを把握してみたいと思います。
まずは車検を除いた費用をご覧ください。
自家用車 | 中型乗用車(1,000~1,500cc) | 軽自動車 |
---|---|---|
自動車税(年間) | 34,500円 | 7,200円 |
任意保険/11等級(年間) | 28,650円 | 23,420円 |
ガソリン代(年間) | 36,000円 | 20,000円 |
消耗品(オイル交換など/年間) | 20,000円 | 15,000円 |
駐車場代(年間) | 5,000円×12 | 5,000円×12 |
合計 | 184,150円 | 130,620円 |
中型乗用車(1,000~1,500cc)と軽自動車の比較ですが、1年間でかなりの違いがあることが分かります・・・。
ガソリン代や消耗品などにかかる費用は、ざっくりとした計算ですが、中型乗用車と軽自動車でこれだけの違いがあることがお分かり頂けるかと思います。
では、続いて車検の費用も見てみましょう。
車検の費用については、中型自動車以外の小型自動車、大型自動車なども表に加えてみました。
〇法定費用
車 種 | 自賠責保険 | 重量税※ | 印紙代 | 法定費用合計 |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | 25,880円 | 8,200円 | 1,400円 | 35,480円 |
小型乗用車(500~1,000kg) | 44,100円 | 16,400円 | 1,700円 | 62,200円 |
中型乗用車(~1.500kg) | 44,100円 | 24,600円 | 1,700円(5ナンバー) 1,800円(3ナンバー) | 70,400円(5ナンバー) 70,500円(3ナンバー) |
中型乗用車(~2.000kg) | 44,100円 | 32,800円 | 1,700円(5ナンバー) 1,800円(3ナンバー) | 78,600円(5ナンバー) 78,700円(3ナンバー) |
大型乗用車(~2.500kg) | 53,890円 | 41,000円 | 1,800円 | 96,690円 |
〇点検・メンテナンス費用
車検の方法 | 点検・整備(メンテナンス)費用 |
---|---|
ディーラー車検 | 40,000円~100,000円 |
フランチャイズ車検 | 25,000円~80,000円 |
ユーザー車検 | 0円 |
民間整備工場 | 25,000円~80,000円 |
ガソリンスタンド車検 | 20,000円~60,000円 |
車検代行 | 10,000円~30,000円 |
カー用品店車検 | 20,000円~60,000円 |
車検は新車登録から3年、それ以降は2年ですが、ここでも車の種類、車検の方法により、”維持費”にかなり違いがあることがお分かり頂けるかと思います。
2.車の維持費を安くする方法
車のタイプを普通車から軽自動車に切り替えるだけでも、かなり維持費を安くすることが期待できますが、その前にチェックしておきたいポイントが幾つかあります。
〇エコカーへ乗り換え
ハイブリットカーや電気自動車などは環境にやさしく、燃費効率が良くなることはほぼ間違いありません。
ただ、エコカーに乗り換えることで必ずしも燃費効率が著しく良くなるのかと言いますと、そうとは言い切れない場合もあります。
エコカーは仕組み上、バッテリーからの電力で動きますが、バッテリーは走行距離が長くなればなるほど、燃料である電力を貯めて、効率よく電力を供給できる仕組みになっています。
それは逆に言えば、1年を通して走行距離が極端に短い場合は、ガソリン車に比べてそれほど燃費効率が上がらないということになります。
エコカーの燃費の良さを過信しすぎるのは注意が必要です。
〇ガソリン代の節約について
維持費を安くするために買い替えを検討している車として、軽自動車や小型自動車のガソリン車を検討しているという方もいるかもしれません。
ガソリン代を安くする方法としては、ガソリン代が安いガソリンスタンドを使うようにするというのが最も思い浮かびやすい方法ですが、そもそもガソリンスタンドが近くにないと、そこに行くまでにガソリンを使用してしまっては、意味がありません。
そこで、費用をかけずにガソリン代を節約する方法が運転の方法を見直すということです。
代表的な方法の一つとしてアクセルの踏み方を見直すということがありまして、アクセルの踏み方を見直すと、車種によって燃費効率は、最大で約20%前後も変わると言われていまして、例えば、普通車に乗っていて1ヶ月あたり約5,000円のガソリン代が掛かっているとすると年間で掛かるガソリン代は約60,000円になりますが、20%カットできると年間のガソリン代は約48,000円になりまして、約12,000円の節約をすることができます。
肝心のアクセルの具体的な踏み方ですが、最も重要になるのは、停止している状態から「発進」するときの踏み方で、エンジンの種類によっても、踏み方が異なってきます。
排気量の少ない軽自動車で採用されていることが多いターボモデルの場合は、発進のときにしっかりとアクセルペダルを踏み込み、そして加速後は、アクセルを完全には戻さずに軽く足を乗せた状態で運転します。
ターボモデルの場合は、発進のときのアクセルの踏み方が弱いと、そのエンジン特性を上手く発揮させることができずに、逆にパワーをロスしてしまいますので、発進のときはしっかりとアクセルを踏み込みましょう。(急発進するという意味ではありませんので、ご注意ください)
一方、普通車などで採用されているエンジンは、ほとんどがコンピューターでエンジンの動きを制御するモデルですが、この場合は、発進のときは、できるだけゆっくりと踏み込んでいきます。
ターボモデルとは異なり、素早く踏み込んでしまうと、燃料がそれだけ必要になり、燃費効率が悪くなってしまいます。
加速した後は、軽自動車同様、完全にはアクセルを戻してしまうのではなく、軽く足を乗せた状態で運転しましょう。
こうすることで、エンジンのパワーを必要最低限で引き出しながら、低燃費で運転することができます。
〇任意保険の見直しについて
任意保険については、毎年相応の保険料を払っていると思いますが、保険料も保険会社によっては、開きがありますので、買い替え前にチェックしておきたい項目の一つです。
特に走行距離が短いドライバーや通勤にしか車を使用していないドライバーで、ずっと同じ保険会社を使っている人であれば、見直しでかなり保険料を節約できたりすることがありますので、複数の会社に無料見積もりを取ってみることをおすすめします。(参考/「無料の自動車保険一括見積もりサービス」)
〇車検代について
法定費用については、法律で定められていますので、節約をすることはできませんが、車検については依頼する業者によりかなり開きがあります。
ユーザー車検やユーザー車検代行、フランチャイズ車検など格安で車検を通すことができたりしますので、そういった方法を検討するということは維持費を安くする上では決して、欠かせません。
ただし、注意しなくてはいけないのは、車検を通すことと、車の消耗や修理は別ということです。
事実、安い車検サービスを利用した後に、すぐに車の修理が必要になったりということは決して少なくありません。
費用の安い車検サービスは車検を通すためだけにあるというぐらいの認識でいいかと思います。
3.買い替えのコストと維持費を比較する
燃費効率のいいエコカーや税金など総じて維持費の安い軽自動車への買い替えを検討することは非常に価値の高いことですが、肝心の「買い替え費用」が高くついてしまっては、せっかくの維持費が安くなったメリットも随分先まで享受できないということになりかねません。
例えば、現在、税金や保険、車検などを全て含めて年間20万円の維持費がかかっている車から、年間維持費が10万円への車に乗り換えることを想定した場合、仮に買い替え費用が50万円とすると、維持費が安くなるメリットが出てくるのは、6年目以降ということになります。
ただ、これは買い替え前の車が、故障などをしなかった場合ですから、実際には車は古くなればなるほど、修理などのコストが増えることが多いので、4年から5年程度で買い替えの費用は回収できることが多いでしょう。
また、新しい車に乗り換えることで、得られるメリットはそれだけではありません。
下記に車を買い替えたときにメリットとなるポイントをまとめましたので、参考にして頂ければと思います。
買い替え | ポイント |
---|---|
お金 | ・古くなると車検代が高くなる ・古くなると修理代がかかりやすい ・古くなると買い取り価格や下取り価格が下がって損をする |
手間・面倒 | ・古くなると修理に出すのが増えて、その分だけ手間がかかる ・古くなると故障したりして、代車に変更など面倒が増える |
老朽化・経年劣化への不安 | ・古くなると隠れた不具合が出てきそうで不安 ・古くなると原因不明の異音や違和感があり心配 ・古くなると万一、運転中に何かあったら怖い |
保証やアフターサービス | ・古くなるとメーカー保証が切れてしまって何かあったら心配 ・古くなると販売店の保証が切れてしまい心配 |
見た目・外観・周囲の目 | ・古くなると今の車の小さな擦り傷やへこみが気になる ・古くなると近くの駐車場に古い車がなく、自分だけ古い車に乗っていることが恥ずかしい |
気持ち | ・新車や年式が新しい中古車の方が気持ちいい ・最新の車の機能を楽しめる ・車はファッションと同じで楽しくないと意味がない ・新しい車の方が事故対策などセキュリティがしっかりしてそう |
4.今の車の売却先を検討する
車の買い替え費用、そして購入する車の維持費を安くするためには、購入する車を慎重に検討することはもちろんですが、売却予定の車をどこに売却するのかということも重要なポイントです。
車を買い替えるときは、ディーラーに下取りに出すというのは定番ですが、ディーラーだけにしか見積もりを取らないというのは、損をしてしまう可能性が少なくありません。
ディーラーへの下取りの見積もりに加えて、買い取り一括査定サイトなどで複数の会社に見積もりを依頼することで、より高い価格で今の車を売却できる可能性が高くなります。
少し手間や時間はかかりますが、車の買い替え費用、そして購入する車の維持費を安くするためには、労を惜しまない方が結果的にお得になることが多いです。
まとめ
「維持費が安い車へ!買い替え前にチェックしたいポイント4つ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
維持費が安い車へ買い替えをスムーズに行うには、今、乗っている車と、これから買い替える車を冷静に比較して、さらに、買い替え費用を安く抑えるための効果的な手順を踏むことが大切になってくることは、お分かり頂けたのではと思います。
維持費が安い車への買い替えの参考にして頂ければ、幸いです。
買い替えを検討されている方へ
つい先日、筆者が一括査定で複数の買取会社に査定依頼してみたところ、一番高い会社と一番低い会社の価格差が、全く予想外の19万6千円にもなりました。
買い替え前にチェックしておいて本当に損せずに済みました。
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