車買い取り業者に自分の車を査定してもらうときに、人によっては面倒だったり、苦手だったりするのが「駆け引き」ではないでしょうか。
今回は、そんな車査定の駆け引き対策について、長年、インターネットや実店舗で買い取りや販売に携わってきた筆者が実践的な方法を、”出し惜しみなく”説明したいと思います。
では、早速、見ていきましょう。
1.駆け引きをしないという意思表示
車査定の査定士の仕事は、少しでも安く車を買い取り、そしてその車を次の買い手に少しでも高く売ることです。
車の査定をすることは、もちろん彼らの重要な仕事の一つですが、本質的には、安く買い取るために、あらゆる駆け引きを繰り広げることが最も重要な仕事になります。
つまり、彼らは査定士でありながら、駆け引きのプロであるという認識をまず、持っておく必要があります。
では、彼らの巧みな駆け引きに乗せられて、安く買い取られることなく、少しでも高く車を査定してもらうには、どうすればいいのでしょうか?
その方法の一つは、彼らに駆け引きをさせないことです。
具体的には、どういう方法かと言いますと・・
「駆け引きするつもりはありません」
とこちらから、ストレートに意思表示することに他なりません。
車を査定するときに、口頭でそのまんま
「駆け引きするのが苦手なので・・・率直に査定金額を教えてもらってもいいですか?」
と聞いてみるのも一つの手です。
また、口頭でそのことを伝えるのが苦手な場合は、当サイトの編集部で用意した下記の書類(無料)を買取業者に渡して、駆け引きするつもりがないという意思表示をするのも一つの方法です。
買取業者は、駆け引きのために、査定価格の提示を”出し渋る”ことは決して少なくありませんが、そのときは「ざっくりと概算でいいので・・」と口添えしてみるといいでしょう。
2.車査定に複数人で臨む
車査定の査定士は駆け引きのプロですので、売り手との駆け引きに集中できるという意味で、1対1で金額交渉することを最も得意としています。
査定士にしてみると、交渉を自分のペースで進めるためには、できる限り”焦点”をずらされないまま、駆け引きを行い、早くクロージングまで持っていきたいというのが本音です。
「今、本社にかけあってみます・・」と言って、電話を掛ける”フリ”をしたり・・
「今、ここで決めてくれるのであれば、他社では”絶対に”出せない・・この金額で買い取ります!」と根拠がないことを言ってきたり・・
そんな駆け引きに対して、冷静に対応するためには、自分以外の人間を査定の場に同席させるというのも有効です。
複数の人間がいることで、そうした常套手段に対しても、「他社と見積もり価格を比較して決めます」と強く主張することができるでしょう。
3.車査定で駆け引きを仕掛ける
車査定で敢えて、査定士に駆け引きを仕掛けるという方法についても触れておきたいと思います。
車査定では、買取業者の担当者は、価格に対して早めに”コミット”したくないので、なかなか具体的な金額を提示することを簡単にはしてきません。
それは、基準を設けたくないからです。
それに対して、駆け引きを仕掛けるという意味で、敢えて、こちらから金額を提示するという方法もあります。
そして、その提示金額はできるだけ高い金額を提示しましょう。
例えば、事前にネットなどで中古車の相場価格を調べておき、その最も高い金額を敢えて、提示するのです。
中古車の相場価格が80万~100万円程度であれば、そんな査定価格は無理だと分かっていても、
「査定どれくらいになりそうですか?100万円ぐらいで買い取りしてもらえると、即決なんですけど~(笑)」
なんて、冗談交じりにこちらから仕掛けてみるのです。
実は、これは心理学的には有名なアンカリングという方法で、仮にその数字に根拠がなくても、人は、目の前に出された数字に対して、影響を受けてしまうということを利用した方法になります。
そんな到底無理な買い取り金額を出された査定士の人は、おそらく、
「またまた、そんな無茶なこと言わないで下さいよ~(笑)」
と言いながらも、100万円という数字がどこからきたのか?、そして、その自信はどこからきたのか?、何を参考にしたのか?など、色々と思案するはずです。
そのように100万円という数字を意識させるだけでも、その後出てくる数字には、少なからず影響を与える可能性があるのです。
実際に、筆者は販売や買い取りの仕事を通じて、アンカリングの威力の大きさに、過去、何度も驚かされています。
4.車査定で査定士からの信頼を得る方法
車査定は、短期間のうちにそのやり取りが終わってしまうために、不要な駆け引きがあったりしますが、もし、査定士から信頼を得ることができれば、査定士に駆け引きは必要ないかも・・と思わせることができる可能性があります。
その方法とは、こちらから、敢えて自分の車の査定のマイナスになりそうなポイントを指摘して、言及することです。
例えば、タイヤの溝が少なくなっている、ハンドルがヘタっている、バンパーに少し傷がある、ブレーキを踏むときに異音がする・・・などなど。
通常は、査定のマイナスポイントになることは隠しておきたいところですが、そこを先手を打って、伝えることで、こちらは”オープン”であるという意思表示をします。
安く買い取りするのが仕事の査定士が、査定のときに最も注意するのは、査定が甘くないか、自分は何か損失を抱えるような見落としがないか、ということです。
そして、そのもっと深いところには、相手を信頼できるかどうか・・という短期間では判断しづらい要素があります。
そんな疑心暗鬼のところに、先に査定のマイナスポイントについて、敢えて言及すれば、査定士の方からすれば、引取り後に”何か”あるかもしれないという損失リスクに対して、少し”楽観的”になることができるのです。
そして、もし、査定士を楽観的にさせることができれば、それが売り手への信頼に繋がり、損失リスクを減らすための不要な駆け引きもおのずと緩和されます。
5.車査定を複数の会社で同時に行う
車査定は買取業者⇔売り手という図式のもとで進められることが多いですが、その図式を買取業者⇔買取業者にすることで駆け引きを避けるという方法もあります。
買取業者の中には、売り手との駆け引きというよりも、業者間での駆け引きになるので、それを嫌がって参加しない業者もいますが、それでも複数の会社との交渉になるのは、予め織り込み済みという買取業者がほとんどなので、気にする必要はほとんどありません。
車査定を複数の会社で同時に行うことについては、「中古車買取の出張査定を同時に行うメリットと注意点とは?」の記事も参考にして頂ければと思います。
買い替えを検討されている方へ
つい先日、筆者が一括査定で複数の買取会社に査定依頼してみたところ、一番高い会社と一番低い会社の価格差が、全く予想外の19万6千円にもなりました。
買い替え前にチェックしておいて本当に損せずに済みました。
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