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黒や白い色の車はなぜ高く売ることができるの?

黒や白い色の車はなぜ高く売ることができるの?

車を売るときや買い替えのときに気になる要素として車の「色=カラー」がありますが、中古車業界でよく言及されることとして、黒や白い色の車は買い取り査定や下取りのときに高い売値がつきやすいということが挙げられます。

では、なぜ黒や白い色の車はなぜ高く売ることができるのでしょうか?

今回は、その理由も含めて、車の売却と色の関係について見ていきたいと思います。

車が高く売れるかどうかは新しい買い手次第

読者の方もご存じの通り、色に限ったことではありませんが、物やサービスの価格は、買い手と売り手の力関係(需要と供給)で決まっています。

そして、それは、中古車も例外ではありません。

売りたい人が多い売りたい人が少ない
買いたい人が多い中古車価格は普通中古車価格は高い
買いたい人が少ない中古車価格は安い中古車価格やや安い

上は、中古車を売却する時の価格がどのように決められるかということを表にしたものですが、ご覧頂きました通り、中古車は買いたい!と手を挙げてくれる人が多い車が、より高く売れるようになっています。

では、買いたいと手を挙げてくれる人が多い車の色は?となりますと、それは、白、黒、シルバーが圧倒的です。

白、黒、シルバーは全世界的に人気

下は2012年にPPGインダストリー(世界的な塗料サプライヤー)とデュポン(世界を代表する化学メーカー)が大規模に行った「人気のある車の色」調査を表にしたもので、白、シルバー、黒は世界でも人気トップ3をほぼ独占しています。

ちなみに、ヨーロッパやアメリカでは、グレーも人気がありますが、アジアではグレーはそれほど人気が高くありません。

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データ参照元/Car colour popularity(wikipedia/英語)

このデータが意味するところは、黒、白、シルバーの車は買いたい!と思っている人が多いということを証明するだけでなく、中古車買い取り業者にとって、ブラック、ホワイト、シルバーの車は、他の色よりも”圧倒的に”売りやすいということです。

つまり、中古買取業者は黒、白、シルバーの車は他の色より高く買い取りしても、すぐに新しい買い手を見つけることができる可能性が高く、そして、より高く売れる可能性が高いということです。

この買いたい!という人が多いことこそが、黒、白、シルバーの車が高く売れる理由になっています。

では、白、黒、シルバーであれば、どんな中古車も高く買い取りしてもらえるのでしょうか?

決してそんなことはありません。

実は、白、黒、シルバーも人気が高い一方で、弱みがないわけではありません。

白、黒、シルバーのメリットとデメリット

中古車の買い取り査定には、値段を決める要素として走行距離、年式、走行性能、内装、タイヤやブレーキのコンディションなど様々な要素がありますが、車のボディーの状態は、最も重要な要素の一つです。

手入れが行き届いていて、ピカピカに磨かれている車は査定のときにも高い評価を受けやすいですが、逆に色があせていて、見た目のイメージがよくない車は高い評価を受けにくいです。

では、そんな”見た目”という意味で、白、黒、シルバーのメリットとデメリットを見てみましょう。

それをまとめたのが下の表になります。

メリットデメリット
○高く売れる
○高級感
○傷が目立ちやすい
○傷などの手入れが大変
○暑くなりやすい
○車種によっては威圧感
○高く売れる
○受けがいい
○傷が目立ちやすい
○傷などの手入れが大変
シルバー○高く売れる車種も
○車種によって高級感
○経年劣化の色あせが目立ちやすい

ご覧いただきました通り、白、黒は人気が高く売りやすいのですが、実は一方で、傷や擦った跡などが目立ちやすいというのが、最大のウィークポイントになっています。

また、シルバーについては、経年劣化による色あせが目につきやすいという特徴があります。

買い取り業者や下取りするディーラーは白や黒、シルバーが高く売れるのは分かっていますが、それでも、内心では少しでも安く買い取りしたいというのが本音で、そうした傷や擦った跡は、査定のときに買い取り価格を下げるための絶好の口実になります。

いくら人気の白、黒、シルバーであっても傷などが多かったりすると、買い取り価格は安くなることがあるということをお分かりいただけるかと思います。

車の色の塗り替えなどについて

では、車に傷や擦った跡がある場合はどうすればいいのでしょうか?

その傷の内容にもよりますが、基本的には塗装業者にお願いして手入れをしたり、色を塗り替えたりするのはやめておいた方が無難です。

なぜなら、修理屋さんに支払う代金以上の価格で買い取りしてもらえる可能性は低いからです。

仮に部分的に車に塗装をする必要がある状態であったとしても、買取業者や下取りするディーラーにお願いした方がお得です。

なぜなら、彼らは、特に大手であれば自社や提携会社のネットワークを使って、車の色を塗装する費用は一般の人に比べて低いことがほとんどだからです。

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では、自分で車に色を塗ったりするのはどうでしょうか?

実際、ホームセンタ-やカーショップで販売されているスプレーや塗料を使えば、簡単にできます。

ただ、買い取り査定や下取りではプロの目は決して侮ることはできませんので、よほど腕に自信があるのであれば別ですが、塗装の”ムラ”などは決して、見逃してくれないと考えておいた方がいいと思います。

逆に塗装ミスなどがあると、かえって印象を悪くしかねません・・。

まとめと車を買い替えるときの色について

「黒や白い色の車はなぜ高く売ることができるの?」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

黒や白い車を選択することは、車を売るということを考えますと、他の色に比べて有利であることは、間違いないと思いますが、ただ、”飽き”や”好み”という視点で考えてみますと、白や黒が誰にとっても、いいとは限りません。

白や黒は確かに”無難”ですが、車を服のように楽しむのであれば、自分が飽きない好きな色を選ぶということも大切な視点だと思います。

オレンジやブルー、レッドといった色が好きな人は、売るときは多少不利かもしれませんが、その車の色で自分の気分が盛り上がったり、楽しくなるのであれば、そっちを選ぶべきだと思います。

また、自分のラッキーカラーや風水で自分の運気が上がりそうな車の色を選ぶという選び方も全然あっていいと思います。

自分が愛情を注げる車であれば、何色であっても、大切に車を扱いたいという気持ちが芽生えて、メンテナンスもよくするようになり、それがきっと豊かなカーライフに繋がると思います。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。